研究課題/領域番号 |
23K18350
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 聡 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40359849)
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研究分担者 |
向阪 幸彦 東北大学, 大学病院, 助教 (10760457)
齋藤 正寛 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40215562)
梶川 哲宏 東北大学, 大学病院, 講師 (90611252)
鈴木 茂樹 東北大学, 大学病院, 講師 (30549762)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | デザイナー細胞 / 歯周組織再生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究にてデザインする歯周組織特異的CAR-MSCは、歯根膜に特異的に発現するPLAP-1を受容すると歯根膜側にFGF-2を分泌し、歯根膜細胞の増殖・遊走を促進する。歯根面に対しては象牙質特異的分子dentin phosphoprotein(DPP)に反応して、amelogeninを分泌し、セメント芽細胞の分化促進および根面への細胞接着機能を誘導する。さらに、歯槽骨側では、osteocalcin(OC)に反応して、BMP-2を分泌することで骨芽細胞分化を促進する。一方、歯肉側では、歯肉上皮細胞表面分子CD236を受容することで、soluble EGFRを分泌し、上皮細胞の増殖・遊走を抑制する。
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研究実績の概要 |
本研究では、synNotch systemを用いて、歯根膜組織、歯肉、歯槽骨、象牙質に特異的に発現している分子に反応して、最適なシグナル分子を発現誘導できるキメラ抗原受容体(CAR:Chimeric Antigen Receptor)と転写ユニットを設計し、間葉系幹細胞(MSC)に遺伝子導入することで、歯槽骨、歯肉、歯根膜、セメント質からなる複合した組織である歯周組織を時間的・空間的に再生誘導可能な歯周組織特異的CAR-MSCの樹立に挑戦することを目的としている。本年度は、歯周組織特異的キメラ抗原受容体の発現ベクターを構築することを目的として、東北大学において組み換えDNA実験申請書の提出を行い、受理を受けた。その後、各種synNotch関連の発現ベクターpHR_pGK_LaG17_synNotch_Gal4VP64, pHR_EGFPligand, pHR_Gal4UAS_tBFP_PGK_mCherryをAddgeneより入手し、各歯周組織に応じたキメラ抗原受容体と受容体活性化によって発現する因子の転写ユニット、それぞれの発現ベクターを作製中である。また、各転写ユニット作製後に、転写ユニットが機能するかを、遺伝子導入効率の良いマウス歯根膜細胞クローンおよびヒト腫瘍細胞株MCF-7の共培養系で解析する予定である。そのため、現在その共培養系の確立を併せて行っており、転写ユニットの作製が完成次第、細胞膜表面上にGFPを発現するMCF7と、細胞膜表面上GFPを認識するLaG17 GFP receptor Synnotchを発現するマウス歯根膜細胞クローンを作製し、Synnotch systemを介した相互作用が引き起こされるかを解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、各歯周組織に応じたキメラ抗原受容体と受容体活性化によって発現する因子の転写ユニット、それぞれの発現ベクターを作製中であり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
歯肉、歯根膜、歯槽骨、象牙質に対する個別のキメラ抗原受容体と転写ユニット、それぞれの発現ベクターの作製を完了させ、遺伝子導入を行い、安定発現株を作製していく予定である。歯肉、歯根膜、歯槽骨、象牙質特異的な各キメラ抗原受容体と転写ユニットの組み合わせが効率的に機能するかを、高い遺伝子導入効率を持つ細胞株を用いて検証していく。その後に、MSCへ順次遺伝子導入し、薬剤選択と蛍光たんぱく質を利用したsortingにて安定発現株を得る予定である。その後は、in vivo欠損部へ填入し、その歯周組織再生誘導効果を対照群の細胞と比較する予定である。
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