研究課題/領域番号 |
23K18355
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
土門 久哲 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00594350)
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研究分担者 |
竹中 彰治 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50313549)
寺尾 豊 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50397717)
前川 知樹 新潟大学, 医歯学系, 研究教授 (50625168)
平山 悟 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70778555)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 肺炎 / 肺炎球菌 / 老化 / 好中球 / 誤嚥性肺炎 / 加齢 / 唾液 / 天然化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,誤嚥性肺炎による死亡数の増加が著しい.同疾患による死亡者のうち,約97%が65歳以上の高齢者であることから,加齢に伴う免疫機能の低下が肺炎の重症化を誘発すると推察した.そこで,感染初期の防御機構において重要な好中球が加齢変化を起こし,免疫機能を低下させるとの仮説を立案した.本研究では,好中球の老化マーカーの同定を行うとともに,同マーカーが老化により変動する機序や外的要因を明らかにする.また,好中球の老化と肺炎重症化との関連について動物モデルを用いて解析する.
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研究実績の概要 |
歯科領域に関係の深い誤嚥性肺炎による死亡数の増加が著しい.このまま抜本対策が採られなければ,2030年には現状から死亡数が2.5倍に増加し,年間13万人になると推計されている(東京都疾病動向予測システム,2018).細菌性肺炎による死亡者のうち,約97%が65歳以上の高齢者であることから,加齢に伴う免疫機能の低下が肺炎の重症化を誘発すると推察した.また,これら高齢者の肺炎では,短時間でさらに侵襲的な感染症に移行するとの臨床症例が複数報告されている.以上のことから,未だ国内外で報告が無いものの,(1)感染初期の防御機構において重要な好中球が加齢変化を起こすこと,(2)その加齢変化により免疫機能を低下させることの2つの仮説を立て研究を遂行中である. 研究1年目は、老齢および若齢マウスの気管支に肺炎球菌を感染させて比較解析を行った.その結果,老齢マウスにおいて,肺への好中球遊走数および肺炎球菌感染数のどちらも多かった.すなわち,加齢により好中球の病原体排除能力が低下することが判明した.続いて,同マウス肺胞洗浄液を採取し,高感度iTRAQ試薬を用いて複数サンプル間における網羅的なタンパク質同定と発現相対定量解析を行った.その結果,若齢肺炎マウスにおいては,未感染マウスと比較し,1,000種類以上のタンパク質の検出量が増加した.さらに,老齢肺炎マウスでは,若齢肺炎マウスと比較して,複数のタンパク質の検出量が上昇することが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
加齢で変動するタンパク質候補を同定したものの,当初予定であった当該タンパク質の機能解析には至らなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目は,上記iTRAQによる“Neutrophil-omics解析”で変動した細胞表面タンパク質を選別し,老齢マウス好中球を用いてフローサイトメトリー解析する.老齢マウス好中球集団の一部で当該タンパク質発現が変動した場合,セルソーティングして機能解析を行い,好中球老化マーカーとその機能を検索する.細胞表面マーカーの選別を第一に行うが,次点として細胞内分子についても機能解析を行う.続いて,好中球老化マーカーが細胞機能に及ぼす影響の解析を行う.具体的には,選別した好中球老化マーカー遺伝子を欠失したノックアウトマウスもしくは過剰発現するトランスジェニックマウスを作製し,好中球の機能解析および肺炎球菌の感染実験を行う.
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