研究課題/領域番号 |
23K18375
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
市原 佐保子 自治医科大学, 医学部, 教授 (20378326)
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研究分担者 |
及川 佐枝子 (多田佐枝子) 椙山女学園大学, 生活科学部, 准教授 (90610585)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | プラスチック / 吸着 / 炎症性腸疾患 / 消化管炎症反応 / 汚染物質 |
研究開始時の研究の概要 |
プラスチックの使用量は年々増加し続けており、世界中で緊急な解決が求められる国際的な環境問題となっている。しかし、マイクロ・ナノプラスチックによる有害性はそれ自体の物理的な特性を反映しているのか、吸着した汚染物質の影響を反映しているかは定かではない。本研究では、プラスチックの劣化の程度と表面への汚染物質の吸着量の程度を解析する。さらに、難水溶性物質の代表例としてベンツピレンを選択し、劣化プラスチックの表面に吸着した汚染物質の細胞移行性を検討すると同時に、劣化マイクロ・ナノプラスチックによる腸管免疫機構の破綻を介する消化管炎症反応の誘導および増悪作用の機構を解明する。
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研究実績の概要 |
プラスチックの使用量は年々増加し続けており、世界中で緊急な解決が求められる国際的な環境問題となっている。プラスチックは汚染物質を吸着しやすい性質を持つが、劣化と破砕を重ね微細化した結果、表面積が大きくなったマイクロ・ナノプラスチックは、周囲の汚染物質をより吸着しやすくなる。しかし、マイクロ・ナノプラスチックによる有害性はそれ自体の物理的な特性を反映しているのか、吸着した汚染物質の影響を反映しているかは定かではない。また、経口摂取されたナノプラスチックは消化管内腔に取り込まれ大腸炎を引き起こす可能性が懸念されるが、ナノプラスチックによる消化管炎症反応の誘導・増悪機構については明らかにされていない。本研究では、紫外線照射による劣化マイクロ・ナノプラスチックを作成し、その特性を評価し、プラスチックの劣化の程度と表面への汚染物質の吸着量の程度を解析する。また、炎症性腸疾患の共培養細胞および動物モデルを使用し、劣化マイクロ・ナノプラスチックによる腸管免疫機構の破綻を介する消化管炎症反応の誘導および増悪作用の機構を解明する。本研究成果は、微細プラスチックのリスク評価法の確立に貢献する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノサイズまで調整可能なポリスチレン製プラスチック(粒子径:50および200 nm)を小型UV照射装置で紫外線を照射し、表面構造を変化させる。紫外線は太陽光に換算して1年に相当する時間を基準として、照射日数を変え、数パターン照射し、劣化マイクロ・ナノプラスチックを作成した。表面構造の変化は走査型電子顕微鏡(SEM)とフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を用いて評価した。また、ゼータ電子を測定し、表面電荷の変化を分析した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、紫外線照射による劣化マイクロ・ナノプラスチックを作成し、その特性を評価し、プラスチックの劣化の程度と表面への汚染物質の吸着量の程度を解析し、さらに、それらの消化管炎症反応の誘導および増悪作用の機構を明らかにしていくことを目指している。今後は、炎症性腸疾患の共培養細胞および動物モデルを使用し、劣化マイクロ・ナノプラスチックによる腸管免疫機構の破綻を介する消化管炎症反応の誘導への影響を検討する予定である。
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