研究課題/領域番号 |
23K18398
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡県保健環境研究所 |
研究代表者 |
西 巧 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (20760739)
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研究分担者 |
前田 俊樹 福岡大学, 医学部, 准教授 (50555555)
今任 拓也 福岡大学, 薬学部, 講師 (20368989)
馬場園 明 九州大学, 医学研究院, 教授 (90228685)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ポリファーマシー / レセプトデータ / 処方カスケード |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化が進展する先進国では、多くの疾患を有する高齢者の増加とそれらの疾患に対する多剤処方が問題となっている。一方で、我が国においては、多剤処方の発生率や形成過程等の実態把握は十分ではない現状にある。 そこで、本研究では、福岡県の保健医療介護縦断データベースを用いて、多剤処方状態にない65歳以上の高齢者を追跡する研究を行うことによって、多剤処方の形成過程とその発生要因、処方カスケードの発生実態を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、高齢者における多剤処方の発生率とその要因を明らかにすることを目的とした。 2013~2021年度の福岡県内市町村国保/後期高齢者医療制度加入者のレセプトデータから、2014年4月時点で65歳以上であり、過去半年間に外来で5剤以上の同時服用歴、入院歴がある者を除外し、最終的に、390,184名を対象とした。 14日以上の内服薬調剤のみを対象とし、5剤以上の同時使用を多剤処方、10剤以上を過度な多剤処方とし、性、年齢、併存疾患数、介護サービス利用状況と居住医療圏別の発生率を明らかにした。次に、COX回帰分析を用いて、これらの要因が多剤処方に与える影響を明らかにした。 平均3.7年の観察期間中の多剤処方、過度な多剤処方の発生率はそれぞれ133.6[133.0-134.2]、16.1[15.9-16.3]であった。 COX回帰分析の結果、多剤処方と関連が見られた要因は、女性:0.97[0.96-0.98]、75~84歳:1.46[1.45-1.47]、85~94歳:1.52[1.50-1.55]、95歳以上:1.20[1.14-1.26]、居宅系:1.25[1.23-1.27]、居住系:1.31[1.25-1.37]、施設系:0.48[0.46-0.50]、併存疾患数1つ:1.74[1.72-1.76]、2つ:2.35[2.32-2.37]、3つ:2.90[2.86-2.94]、4つ:3.34[3.27-3.41]、5つ以上:3.66[3.55-3.78]であった。 過度な多剤処方とも同様の関連が見られたものの居住医療圏別の傾向は異なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に想定した解析案の通り進めており、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の解析結果から、居宅系/居住系介護サービス利用者で、多剤処方のリスクが高いことが明らかになった。2023年度の分析結果について更に詳細に検討するために、多剤処方に至った者について、5剤以上、10剤以上の過度な多剤処方に至った月までに追加された薬剤を集計し、因子分析を行い、ATC第2レベルでの分類を行う。
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