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中枢-骨格筋連関を担う神経細胞の同定

研究課題

研究課題/領域番号 23K18427
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
研究機関国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

伊藤 尚基  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 ジェロサイエンス研究センター, プロジェクトリーダー (50746534)

研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
キーワード中枢-骨格筋連関 / 外側視床下部 / Slc12a8 / NMN / NAD+ / 骨格筋 / サルコペニア / 神経細胞
研究開始時の研究の概要

近年、加齢に伴って適切な筋量・筋力を維持できなくなるサルコペニアが社会的問題となっている。本研究課題では申請者が見出した”中枢(脳)の異常がサルコペニア発症の一端を担い、中枢の機能回復がサルコペニア改善の鍵となる”という知見のもと、中枢-骨格筋連関を担う神経細胞の同定を目指す。具体的にはSlc12a8陽性細胞特異的にZsGreenを発現させるマウスおよびFACS解析を用いることで、中枢-骨格筋連関を担う候補細胞のRNAseq解析を実施する。得られた候補遺伝子のknockdown、および骨格筋における機能解析を実施し、中枢-骨格筋連関を担う神経細胞の機能解析を実施する。

研究実績の概要

骨格筋は、個体の体重や活動量の変化に応じ、生涯を通じてその筋量・筋力を変化させる。これは運動といった物理的な刺激に応じて細胞内シグナルが活性化され、筋肥大・筋萎縮を介して適切な筋量・筋力を維持するためである。しかし近年、加齢に伴って適切な骨格筋量・筋力を維持できなくなるサルコペニアが社会的問題となっている。疾患に対する治療法を開発するためには、その疾患の原因となっている分子病態を明らかにし、その分子病態に則した分子標的・創薬技術基盤を構築する必要がある。特に加齢性疾患は単一遺伝子、単一組織で起こる疾患とは異なり、本質的な理解のためには全身性あるいは個体レベルで起きている老化現象として捉える必要がある。
本研究では”骨格筋の中で起きていることだけが、サルコペニアの原因なのだろうか?”という基本的でありつつも、これまで取り組まれてこなかった学術的「問い」に挑む。特に申請者が見出した”中枢(脳)の異常がサルコペニア発症の一端を担い、中枢の機能回復がサルコペニア改善の鍵となる”という最新の知見のもと、中枢(特に外側視床下部)-骨格筋連関を担う神経細胞の同定を目指す。具体的には、外側視床下部におけるNMNトランスポーターSlc12a8に着目し、Slc12a8陽性細胞特異的にZsGreenを発現させるマウスおよびFACS解析を用いることで、中枢-骨格筋連関を担う候補細胞の解析を行う。既存マーカーを用いたSlc12a8陽性細胞特異的に発現する分子群の解析を実施し、外側視床下部におけるZsGreen陽性細胞を指標としたSlc12a8陽性細胞特異的なRNAseq解析へと繋げる。最終的には得られた候補遺伝子の機能解析や外側視床下部におけるknockdown、および骨格筋における機能解析を実施し、中枢-骨格筋連関を担う神経細胞の同定と機能解析を実施する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では外側視床下部におけるSlc12a8陽性細胞に着目し、Slc12a8発現細胞のキャラクタライズを元にして、中枢-骨格筋連関を担う神経細胞の同定を目指している。FACS解析によってSlc12a8発現細胞のRNAseqを実施し、分子レベルでのキャラクタライズを実施する予定だった。しかしRNAseq解析を行うにあたり、想定より多くのSlc12a8陽性細胞を取得する必要が生じた。あらためてSlc12a8-CreERT2マウスとRosa26-ZsGreenマウスを掛け合わせ、Slc12a8発現細胞をラベルするマウスを作成し、引き続きFACS解析を実施している。既存マーカーを用いたSlc12a8陽性細胞のキャラクタライズも行なっており、引き続きSlc12a8陽性細胞の解析を実施する。

今後の研究の推進方策

中枢-骨格筋連関を担う神経細胞の同定を目指すため、Slc12a8陽性細胞におけるRNAseq解析を実施する。その上で、RNAseq解析により候補細胞特異的に発現している遺伝子を同定し、中枢-骨格筋連関を担う神経細胞の候補マーカーを得る。また、候補マーカーの局在解析を行い、外側視床下部特異的かつ神経細胞特異的に発現している遺伝子を絞り込み、その機能解析を実施する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 図書 (3件)

  • [学会発表] 中枢におけるNAD+代謝関連分子による骨格筋制御機構とサルコペニアとの関係について2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤 尚基
    • 学会等名
      第33回日本老年学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Regulation of skeletal muscle by NAD+ metabolism-related genes in the hypothalamus and its relationship to sarcopenia2023

    • 著者名/発表者名
      Naoki Ito
    • 学会等名
      IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 中枢-骨格筋連関による骨格筋代謝・運動機能制御の分子機構2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤 尚基
    • 学会等名
      第41回日本骨代謝学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] サルコペニアと骨格筋可塑性2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤 尚基
    • 学会等名
      合同学術集会 第9回日本筋学会学術集会 第10回筋ジストロフィー医療研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 中枢(視床下部)におけるNAD代謝が骨格筋機能・サルコペニア病態に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤 尚基
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 外側視床下部におけるNAD代謝関連分子による骨格筋制御機構とサルコペニアの関係について2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤 尚基
    • 学会等名
      第10回日本サルコペニア・フレイル学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 中枢と骨格筋のNAD+代謝に着目したサルコペニアの分子機序2024

    • 著者名/発表者名
      伊藤 尚基、今井 眞一郎
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      基礎老化研究
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 加齢によるNAD+の低下とサルコペニア・フレイルの病態2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤 尚基、今井 眞一郎
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      日本生化学会誌
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 交感神経系を介した骨格筋代謝-運動機能制御機構とサルコペニアとの関連2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤 尚基、今井 眞一郎
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      実験医学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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