研究課題/領域番号 |
23K18448
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
増田 和実 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50323283)
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研究分担者 |
芝口 翼 金沢大学, GS教育系, 講師 (40785953)
野中 雄大 金沢大学, GS教育系, 助教 (30866645)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 運動 / 骨格筋 / 構成タンパク質 / ミトコンドリア / 輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
自己を構成するタンパク質の約99%を核ゲノムに依存するミトコンドリア(Mito)は、細胞質で合成された前駆体タンパク質を輸送複合体の厳密な制御によって取り込んでいる。しかしながら、近年、幾つかの非典型的Mito構成タンパク質(非Mitoタンパク質)がMito内に存在することや、そうした非Mitoタンパク質によってMito機能が変化することを示唆する報告が存在する。但し、非Mitoタンパク質に関するMitoへの輸送機序は全く不明である。本研究は、非Mitoタンパク質がMitoへ輸送される機序を理解し、取り込まれた非Mitoタンパク質によってMito機能が修飾される(Mito-Modification)という新たな現象を見出そうとする挑戦的萌芽研究である。
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研究実績の概要 |
自己を構成するタンパク質の約99%を核ゲノムに依存するミトコンドリア(Mito)は、細胞質で合成された前駆体タンパク質を輸送複合体の厳密な制御によって取り込んでいる。しかしながら、非典型的Mito構成タンパク質(非Mitoタンパク質)がMito内に存在し、その非Mitoタンパク質の多寡によってMito機能が変化すると示唆する研究が報告されている。但し、非Mitoタンパク質に関するMitoへの輸送機序は全く不明である。本研究は、骨格筋のMitoを対象として、非Mitoタンパク質がMitoへ輸送される機序を理解し、取り込まれた非Mitoタンパク質によってMito機能が修飾される(Mito-Modification)という新たな現象を見出そうとする萌芽的研究である。 R5年度では、骨格筋のMito内にどのような種類の非Mitoタンパク質が存在しているのかを網羅的に探索するためにプロテオーム解析を実施した。この解析の際、継続的な運動が非Mitoタンパク質(ミオグロビン:Mb)のMito内在量を高めている可能性があることから、持久性トレーニングを課したラット骨格筋から単離したMitoと通常ラットの骨格筋から単離したMitoのプロテオミクスを比較した。プロテオーム解析の結果を概覧すると、我々がポジティブマーカーとしていたMbが持久性トレーニングのMitoでも検出された。ただし、検出タンパク質(同定されたタンパク質)の種類が予想した数よりも少なかったため、タンパク質検出に用いるデータベースの変更やサンプル調製法の改善等、段階的な改善策を図らねばならないと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は実施する実験計画を少し変更してプロテオーム解析を先に実施した。このことは本研究課題の大前提となる非Mitoタンパク質の種類や量に確証を得た上で、Mitoのタンパク質輸送体の実験を実施するべきだと判断したためである。実施したプロテオミクスでは、参照データベースに問題があったためか、十分な種類のタンパク質の同定には至らなかったが、同定された中には我々が想定していた細胞質タンパク質が含まれていたことを確認できた。また、試験的にMito外膜輸送体(TOM)のサブユニットの発現調節を行い、細胞質タンパク質であるMbのMito内在量の変化も検証した。
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今後の研究の推進方策 |
R5年度に実施したプロテオーム解析にてタンパク質の同定数が少なかったことについては、用いるデータベースの問題があるため、データベースの変更や改変、ラット遺伝子データベースを含めて改めて検証する。また、サンプルとして供したタンパク質に翻訳後修飾がかかっている場合には、検出力を落とす原因にもなることから、データベース選択の参考とする。また、サンプル調整では、抽出バッファーでタンパク質を全て可溶化できていることを再度検証する。さらに、R6年度では外膜輸送体のTOMやVDACを発現抑制したり、阻害したりしながら、標的とする細胞質タンパク質の輸送量の検証を進める予定である。その結果を踏まえながら、C2C12培養細胞系を用いてMito外膜輸送体の発現調節を施したMitoのインポートアッセイを試みる。
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