研究課題/領域番号 |
23K18449
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
實木 亨 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (10546675)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 脳損傷 / シナプス可塑性 / CALI法 / AMPA受容体 / 機能回復 |
研究開始時の研究の概要 |
脳損傷後の機能低下に個人差があるが、その細胞生物学的実体は明らかではない、本研究は、脳損傷モデル動物を用い、損傷前の多様な運動経験により形成されたシナプスが、脳損傷後の運動機能の回復においてどのような影響を与えるのかについて明らかにすることを目的とする。申請者は本研究計画において、事前の運動経験により機能障害を代償する脳領域においてどのようにシナプスが形成されるのかを観察し、当該シナプスを光を用いたシナプス機能操作技術により操作して、シナプス可塑性の脳予備能における役割を解明する。
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研究実績の概要 |
多様な経験をした人の脳はアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患や外傷性の脳損傷における機能の低下の影響を受けにくいことが知られている。しかしながら、このような脳予備能と呼ばれる性質についての細胞生物学的実体は明らかではなく、脳内でどのような変化が起こり予備能を発揮しているのか不明である。申請者は本研究計画において、事前の運動経験により機能障害を代償する脳領域において形成されるシナプスをイメージングし、当該シナプスを光依存的シナプス機能操作技術により操作することでシナプス可塑性の脳予備能における役割を解明することを目的とする。 本年度において、事前の多様な運動経験として位置付けられるローターロッド課題、バランスビーム課題、前肢のリーチング課題といった行動タスクについて立ち上がりつつある。多様な運動経験により増加したシナプスの機能回復促進における役割を明らかにするため、光照射によるシナプス機能阻害を行う必要がある。その機能阻害法として光照射依存的に標的分子を不活性化するCALI法(Chromophore-assisted light inactivation) を適用し、シナプス機能を担う分子であるAMPA受容体のサブユニットGluA1とGluA2/3について動物個体レベルにおいても分子機能阻害が成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光照射依存的な分子機能不活化法であるCALI法を用いて、動物個体においてGluA1/1やGluA2/3といったAMPA受容体サブユニットを特異的に機能阻害する手法を確立できたため。
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今後の研究の推進方策 |
事前の多様な運動経験として位置付けられる行動タスクを経験させた動物個体に脳損傷を施し、運動機能の回復の程度を観察する。その後回復の程度に応じてみられるシナプスの変化を損傷周囲等で観察する。シナプスの変化が見られた領域においてCALI法を適用する。
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