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発話と音声知覚におけるリズム生成機構の関与

研究課題

研究課題/領域番号 23K18475
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分61:人間情報学およびその関連分野
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

橘 亮輔  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (50610929)

研究分担者 饗庭 絵里子  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40569761)
寺澤 洋子  筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (70579094)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワードリズム生成 / 発声制御 / タッピング / 音声知覚 / 振幅包絡
研究開始時の研究の概要

本研究は、発話とリズムタッピングの間の干渉現象を対象とする。この干渉現象の全体像を把握するための、網羅的な行動実験と、その神経機構を調べるための脳活動計測実験を行う。また、音声知覚においても同様にリズムタッピングとの干渉が生じるかも調べる。これらを通じて、発話と音声知覚におけるリズム生成機構の関与を明らかにするとともに、吃音や失読症などのリズム生成の問題に起因するとみられる障害の解明や治療法の検討にもつなげる。

研究実績の概要

本研究は、言葉と音楽の両者に共通した生物学的基盤を検討する上で、リズム制御能力に着目している。特に、その決定的な証拠を示しうるものとして、発話とリズムタッピングの間の干渉現象を網羅的に調査する。そのために、タッピング動作をする効果器(手・足)やその左右による違いと、リズムパターンによる影響の違いをそれぞれ計測する。また、音声の知覚においても同様にリズムタッピングとの干渉が生じるかも調べる。加えて、発話・タッピング・音声知覚に共通して関与する脳メカニズムを調べる。これらを通じて、発話と音声知覚におけるリズム生成機構の関与を明らかにするとともに、吃音や失読症などのリズム生成の問題に起因するとみられる障害の解明や治療法の検討につなげることを狙う。
2024年度は継続的な予備実験と3つの実験(各20名弱)を行った。これらを通じて、干渉現象を計測するのに最適な詳細な実験プロトコルを定めた。その結果、干渉の効果が十分明瞭に観測できることが分かった。手の左右差は明瞭ではないため、効果器による差はないと考えられる。一方で、リズムを伴わないが認知的な負荷が高い課題(統制課題)がタッピングリズムに影響するかも調べたが、これは干渉が生じなかった。これらの結果は、発話とタッピングの干渉現象は中枢性のリズム制御能力の共有により生じるという仮説を支持する。ただし、干渉の程度に個人差が見られた。そのため、調音器官の運動機能、自発発話、音楽の拍に合わせたタッピング、音楽洗練度質問紙など、複数の付加的なテストを行うことで、その要因の探索を開始した。
また、音声知覚の研究についてもタッピングによる干渉効果が生じることが観測されつつある。一方で、吃音との関連を研究する基板として、吃音のある話者の音声データの分析を行い、聴覚フィードバックへの感度が低下していることを見出した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

2024年度は2名の分担者を得て研究が大きく進んだ。特に寺澤(筑波大)および指導する学生の協力により、橘(代表者)の所属機関である産総研と大学の両方で、実験を並行して進めることで、実験プロトコルの最適化と本実験を効率的に進めることができた。また、饗庭(電通大)およびその指導する学生の協力により、音声知覚へのタッピングの影響を調べる実験を最適化して遂行している。全般的に当初想定したよりも個人差が見られるため、その要因を重点的に探索するための実験条件設計も進んでいる。加えて、この共同研究グループでの継続的な議論により研究計画に洗練につながっている。ただし、本年度中に脳活動計測も開始する予定であったが、統制課題を加えた実験および個人差要因の探索実験を優先したために、準備にとどまった。

今後の研究の推進方策

脳活動計測研究を行うことで、干渉現象が中枢性のリズム関連領域の共有によって生じることの裏付けを得る。また、個人差の要因を明らかにするために十分な数の実験を行う。加えて、ドラムやラップを専門とする音楽家についても同様に行動実験及び脳計測実験を行うことで、リズム能力の熟達と干渉現象の関連を明らかにする。音声知覚研究については、引き続き協力者との連携を進め十分な規模の実験をおこなって効果を検証する。吃音との関連についての検討も引き続きすすめ、リズム生成能力と吃音程度との関係を検証する。

報告書

(2件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Spectral consistency in sound sequence affects perceptual accuracy in discriminating subdivided rhythmic patterns2024

    • 著者名/発表者名
      Nitta Jun、Kondoh Sotaro、Okanoya Kazuo、Tachibana Ryosuke O.
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 19 号: 5 ページ: e0303347-e0303347

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0303347

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書 2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 発話とタッピングの干渉現象2025

    • 著者名/発表者名
      橘亮輔, Oli Jan, 荒木俊輝, 寺澤洋子
    • 学会等名
      日本音響学会 聴覚研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 橘亮輔, 菅野康太2024

    • 著者名/発表者名
      マウスUSVのリズムパターンとその系統差
    • 学会等名
      第3回 超音波発声研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 橘 亮輔, 飯村 大智2024

    • 著者名/発表者名
      吃音者の発声制御:変形聴覚フィードバックに対する補償応答
    • 学会等名
      日本音響学会 聴覚研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2025-12-26  

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