研究課題
挑戦的研究(萌芽)
ヒトは、他者とインタラクションをする時、動き自体の速さや軌道の微細な変化を調整してシグナルとして用いている。こうした感覚運動シグナルは、自分の目的や意図を相手が予測しやすいように運動を調節することで、相手との協調行動を円滑にしており、柔軟な運動制御能力と他者表象が関係していると考えられるが、その進化的な経緯についてはほとんどわかっていない。そこで本研究では、ヒトとチンパンジーを対象に、上半身の微細な運動制御能力がどのように物理的・社会的環境適応の際の内的モデルの生成に関係しているのかを明らかにする。本研究により、微細な運動を指標にした新たな他者理解の解明が進むことが期待される。