研究課題
挑戦的研究(萌芽)
地球温暖化に関連して、北大西洋高緯度域における深層水の沈み込みが減少し、大西洋の海洋大循環が弱まっていることが指摘されている。この変動は、北大西洋の一部で水温の上昇が起こっていない海域として検出され始めている。しかし、深層水変動の直接観測は過去20年程度しかなく、気候シミュレーションや長期間の古気候データを復元した研究では異なった見解が示され、空間的に広範囲の古気候データの必要性が指摘されている。このような背景を踏まえ、本研究では、グリーンランドで掘削されたアイスコアの酸素・水素同位体比を超高精度で分析することで周辺海域の過去約200年間分の海面水温データを得ることを目指す。