研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、放射線感受性が異なるヒトiPS細胞を5種類用意し、心筋分化を誘導する。一日辺り0.2グレイ以下5分程度の低線量域の放射線に暴露させ、経時的に、細胞のラマン散乱スペクトルを単細胞精度で数多く収集する。収集されたスペクトルデータから、機能不全の発症に伴う強度変化(従来の細胞状態の定義)に先だって、信号強度が揺らぐパラメータ「揺らぎ因子」を同定する。次に、「揺らぎ因子」に関連する生命現象(放射線被ばく影響であればDNA損傷/修復、活性酸素産生、ミトコンドリア損傷、遺伝子発現変化等)を調査し、それらに摂動を与えることで「揺らぎ」を抑制させる。これにより、機能不全発症の予防を試行する。