研究課題/領域番号 |
23K18526
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
江波 進一 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00589385)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | エアロゾル / HOM / ラジカル / 大気化学 / 環境 / 大気汚染 / 気候変動 / 過酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
HOMs(highly oxygenated organic molecules)と呼ばれるヒドロペルオキシド基(-OOH)が複数付いた有機化合物が、SOAの生成に関与している可能性が指摘されている。しかし、HOMsは極めて不安定であるため、これまで直接検出が行われた例はない。本研究では、HOMsを生成する新規実験システムを構築し、世界で初めての直接検出に挑戦する。新規反応チャンバーによって生成するHOMsを、塩化ナトリウム(NaCl)を含む水のマイクロジェットで捕捉し、質量分析計で直接検出する。本提案研究が完成すると、エアロゾル・雲粒の生成量の定量など多くの波及効果が見込まれる。
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研究実績の概要 |
大気中に浮遊するエアロゾルは、地球の気候変動と大気汚染問題の両面において鍵となる極めて重要な物質である。イソプレンやトルエンなどの揮発性有機化合物(VOC)の酸化反応によって生成する大気エアロゾルを、二次生成有機エアロゾル(SOA)と呼ぶ。その重要性にもかかわらず、どのようにSOAが生成するのか、そのメカニズムはよくわかっていない。近年の研究によって、HOMs (highly oxygenated organic molecules)と呼ばれる有機化合物が、SOAの生成に関与している可能性が指摘されている。 HOMsを生成する新規実験システムを構築し、世界で初めての直接検出に挑戦する。本年度は、新規反応チャンバー内で生成する気体のHOMsを、検出チャンバーにそのまま導入し、塩化ナトリウム(NaCl)を含む水のマイクロジェットで捕捉し、質量分析計でHOM-Cl-錯体として直接検出するための予備実験を行った。複数の官能基を持つヒドロペルオキシドをテルペン類の液相オゾン酸化で生成し、質量分析法で検出可能であることを確認した。特にゲラニオールの液相オゾン酸化で生成するヒドロペルオキシドの液中での分解速度定数を決定し、温度依存性を測定することに成功した。さらに活性化エネルギーの導出に成功した。本成果は現在論文にまとめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国立環境研究所から筑波大学への装置の移動と立ち上げ、確認作業を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
複数の官能基を持つヒドロペルオキシドをテルペン類の液相オゾン酸化で生成し、質量分析法で検出可能であることを既に確認している。今後は気相のヒドロペルオキシドを吹き付けて、同様の信号が得られるかどうかを確認する。気相におけるHOMs生成システムを確立する。
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