研究課題/領域番号 |
23K18534
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
野田 悟子 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (80342830)
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研究分担者 |
大山 拓次 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60423133)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | バイオマス / 糖化酵素 / 立体構造解析 / 共生微生物 |
研究開始時の研究の概要 |
食料と競合しないセルロース資源の効率的利用システムの構築は、温暖化抑制・持続可能社会の実現に向けた革新的技術と期待される。シロアリ共生系では、一般に用いられる高温高圧条件下でアルカリや酸を使う過酷な条件を用いなくとも、高効率な糖化が行われている。このような自然界で効率よく木質資源を分解・利用する複合微生物の機能を理解し、新しいプロセスを開発することをめざす。立体構造と酵素の生化学的性質との相関を解明し、酵素の改変による高機能化と共生原生生物種が有する複数酵素の協調効果を検討する。
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研究実績の概要 |
バイオマス資源のうち、食料と競合しないセルロース資源の効率的利用システムの構築は、温暖化抑制・持続可能社会の実現に向けた革新的技術と期待される。セルロース系バイオマスの糖化はデンプン系資源の酵素糖化とは異なり、セルロースが結晶構造を有しており分解されにくいといった問題点がある。自然界で効率よく木質資源を分解・利用する複合微生物の機能を模倣することで、バイオマス利用技術の基盤創出をめざす。シロアリの消化管には複数種の原生生物が混在しており、木質分解に重要な役割を担っている。しかしながら、培養が困難で各原生生物種の木質分解に関する知見は不明な点が多い。 糖化酵素(Glycoside hydrolase, GH)はアミノ酸配列を基に、100種類以上のファミリー(GHF)に分類されているが、シロアリ共生系では30近くの多様なGHF遺伝子が発現している。このファミリー分類は、アミノ酸配列の類似性に基づいており、必ずしも酵素機能と相関するものではない。近年、酵素活性と配列情報が蓄積しつつあることから、系統解析などの配列情報からもある程度の酵素機能が推定できるようになってきた。そこで、特に糖化に重要であるGHFについて、系統解析によって酵素機能(基質)の推定を行なった。その結果から、セルラーゼやキシラナーゼと同定できる遺伝子について、異種発現用のサブクローニングを行なった。また、これまでにクローニング済みの遺伝子についても、基質結合ドメインや活性ドメインなどのドメインごとにサブクローニングし、発現を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
酵素の活性ドメインについては、まだ活性のあるタンパク質として発現できていないが、IPTGによる誘導発現には成功している。また、基質結合ドメインや活性ドメインを別々に発現させるためのプラスミドの設計と構築は完了しており、ほぼ予定通りの進捗状況と判断している。
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今後の研究の推進方策 |
当初想定していた通り、機能的なタンパク質の発現は非常に難しいため、候補遺伝子を探索してできるだけ多くの発現を試みる予定である。シロアリ共生系には、多種多様な原生生物と細菌種が生息している。これまでに木質分解への寄与が不明であった、細菌種についても対象を広げ木質分解酵素の探索を進める。ヤマトシロアリから、糖質分解活性を有することが確認できた新規細菌株の単離に成功しているため、この細菌株についてゲノム情報等から候補遺伝子を探索して異種発現を行う。候補遺伝子は大腸菌の異種発現系を用いてクローニングし、可溶化タンパク質の発現条件を検討する。異種発現に成功した場合は酵素活性測定を行い、基質の特定と酵素の性質を明らかにする。基質結合ドメインや活性ドメインを別々に発現させるためのプラスミドの設計と構築を行なっているため、これらの効率的な発現条件の検討と精製条件について検討を行う。また、結晶化も試みる。
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