研究課題/領域番号 |
23K18540
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
畑 光彦 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (00334756)
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研究分担者 |
池盛 文数 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 連携研究員 (00773756)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | エアロゾル / 超微粒子 / 質量濃度自動測定機 / 慣性フィルタ / テープろ紙 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノ粒子(PM0.1)は微小粒子(PM2.5)に比べローカルな発生源の影響を強く受け,大きな健康リスクが懸念されるなどの違いが予想されている。しかし,現時点ではPM2.5との定量的な比較検討に耐えるPM0.1の高時間解像度測定技術が存在しないため,PM2.5とPM0.1の質量濃度変動の検討がまったく進んでいない。本研究はこの状況から科学・技術両面から大きな転換を図るため,1~3時間程度の時間解像度を持ち,PM2.5との比較が可能な「PM0.1質量濃度自動測定機」の技術開発を目標とし,技術開発と実証実験を実施する。開発技術を利用したナノ粒子の発生源とリスクの発展研究への応用可能性が期待される。
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研究実績の概要 |
環境省が定める微小粒子状物質自動測定機のひとつ,β線吸収法自動測定機(以下BAM,紀本電子工業製PM-712)の分級部をPM0.1の分級が可能な「慣性フィルタ」に置き換えた試作機の設計・試作・性能検証を実施するが,現時点で想定している課題がふたつある。ひとつは,PM0.1の濃度がPM2.5より1桁低いことから,流量やテープろ紙上の捕集エリア,検出部の条件を工夫して検出感度を上げる必要があること。もうひとつは,PM0.1を分級する慣性フィルタで一般的なPM2.5分級装置(インパクタなど)より1桁高い圧力損失を持つため,慣性フィルタの最適化と,検出装置の耐圧条件の変更が求められることである。 第1段階の検討として検出部流量を標準的な16.7L/minから40L/min程度まで増加し,それに合わせた慣性フィルタを試作して組み合わせる。今年度はこの基礎的な実験を実施し,改造なしのBAMが想定する圧力損失の範囲でPM0.1の分離が実現できないことを確認した。したがって,BAMのメーカー側での改造と試験が必須である。この事実を紀本電子工業と共有し,改造内容と改造計画に関する3回の打ち合わせを実施した。最終的に,希望する検出装置の耐圧条件の変更に対応する改造に当初予定より長い時間が必要になり,令和6年度に引き続き検討を続けることとした。これに伴い,令和6年3月の納品前後に執行する予定だった関連消耗品と研究補助の謝金,打ち合わせの旅費を一部繰越した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の「第1段階の検討」を実施する予定であり,令和6年3月までに試験・改造用の備品を調達する予定であったが,上記のとおり,改造の実施に時間が必要なため,令和6年度の調達へ変更した。
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今後の研究の推進方策 |
慣性フィルタの試作と試験が順調に進んでいる一方で,BAMへの適用には課題があるため,メーカーとの協議・検討を主体に研究を推進する。
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