研究課題
挑戦的研究(萌芽)
スズは他の元素では実現できない特有の反応性を示し,有機合成による物質創製上,極めて重要である.特にTBTが有機合成に多用され,有機薄膜太陽電池用ポリマーなど暮らしを豊かにする物質が製造される.その代わりのきかない機能の一方で,TBTは内分泌攪乱物質としての負の側面を持つ.その毒性なTBTの使用は,目的分子への混入の危険性と隣合わせである.本研究はこの課題の本質的な解決に向け,無毒で分離回収性の高いTOTを用いる合成化学に挑戦し,環境負荷を究極まで低減した分子創製技術を開発することを目的とする.