研究課題/領域番号 |
23K18549
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
児玉谷 仁 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (30434468)
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研究分担者 |
冨安 卓滋 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (60217552)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | ジメチル水銀 / メチル水銀 / 海水 / 熱水 / 鹿児島湾 / 化学形態 / 水銀 / 熱水噴気活動 / 化学形態変化 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,水銀は地球規模環境汚染物質として扱われており,人為活動によって環境中に放出された水銀の挙動は,気候変動などと合わせ,全球的なリスク評価が必要とされている.人の水銀曝露は,主に生物濃縮されたモノメチル水銀(MMHg)を含む魚介類の摂取によるものとされているが,なぜ海水中にMMHgが存在するのか,その生成メカニズムは詳細には明らかになっていない.鹿児島湾奥若尊カルデラ周辺では,海底火山からの水銀放出が確認されている.そこで海水中における水銀挙動,特にMMHgの生成を明らかにするため,ジメチル水銀(DMHg)など水銀化学種の挙動を詳細に調査することを計画した。
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研究実績の概要 |
海底熱水噴気活動に伴い水銀が海水に供給されているとされる鹿児島湾において、海水中の水銀挙動を明らかにするため、水銀の化学形態の一つであるジメチル水銀の測定法の確立と測定を進めた。 ジメチル水銀の測定法として、500 mLの耐圧ビンに採取した海水試料を20分間窒素ガスパージすることで、試料内の揮発性水銀種であるジメチル水銀と原子状水銀を水相から気相に移し、樹脂捕集菅及び多孔質金捕集菅を通過させることで、それぞれ捕集した。ジメチル水銀の捕集率は、添加回収実験により89%ほどであることが確認された。今後、さらに捕集効率を上げる必要がある。また、試料採取からの時間経過により、ジメチル水銀が海水試料から抜けることが確認されたため(1日経過で約7割)、このパージトラップ操作は、試料採取の直後に船上で実施することにした。捕集管にジメチル水銀を捕集して研究室に持ち帰った後、加熱により樹脂捕集菅から脱着させ、ガスクロマトグラフィーで分離したのち、熱分解装置で原子状水銀まで分解し、原子蛍光検出で定量を行った。ジメチル水銀の検量線は、少なくとも0-200 pg(Hgとして)の範囲で良好な直線が得られた。 測定法が一通り確立できた2023年12月の海水試料では、ジメチル水銀の濃度は、熱水噴気孔直上の地点の表層、50、100、150、180、200 mで、それぞれ0.008、0.016、0.043、0.065、0.068、0.065 ng/Lとなり、熱水噴気活動の影響を受けていると考えられる深度で濃度上昇が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ジメチル水銀は毒性が高く市販されていないため、当初、メチル水銀をエチル化したメチルエチル水銀を用いて測定法の諸検討や、検量線作成を行っていた。しかし、最近論文報告されたメチルコバラミンを利用した低濃度ジメチル水銀溶液調製法が、2023年12月より利用可能となった。結果、ジメチル水銀として測定条件を検討することができるようになり、想定より効率よく実験が進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
鹿児島湾における調査を進める。ジメチル水銀測定については測定法を固定できる見込みが立ったため、次にメチル水銀測定について検討を進める。特に現在、海水中のメチル水銀は、海水試料から蒸留操作によりメチル水銀を分離した後、エチルメチル水銀に誘導体化して測定する手法が用いられるが、この蒸留操作が煩雑なため、海水試料に試薬を直接加えメチルエチル化する手法について検討を進め、効率の良いメチル水銀測定を可能にする。並行して、海水中ジメチル水銀からメチル水銀が生成するか等について室内実験を進める。
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