研究課題
挑戦的研究(萌芽)
バナジウムは鋼板、触媒、電池さらには水素貯蔵材料の成分として使われており、水素社会の実現に不可欠なレアメタルであるが、そのリサイクル率は17%と低い。その原因は、製品からの成分の分離に多大な労力が必要なことや、高環境負荷の排水や排ガスが発生してその対策に費用がかかること等にある。そこで本研究では水中のバナジウム成分を、環境負荷が高い排水や排ガスを発生させることなく効果的に回収するために、電子供与剤の存在下で、バナジウム成分を水に不溶な化学種まで光化学的に還元して沈殿分離させること、さらに他の金属成分は水中に溶解させたまま、バナジウム成分だけを高選択的に沈殿・回収する光反応システムを開発する。