研究課題/領域番号 |
23K18667
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等) |
研究代表者 |
加藤 幹治 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等), データサイエンス共同利用基盤施設, 特任研究員 (70984813)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 沖縄語 / 糸満方言 / 日琉諸語 / 記述文法 / 談話資料 / 記述言語学 / 文法概説 / 言語学 / 方言 / 糸満 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、沖縄語糸満方言の文法の体系を記述し、文法書として刊行することである。 沖縄語は、沖縄本島周辺地域で話される言語である。糸満方言はその中でもいわゆる「中南部」地域に属する方言である。沖縄語は次世代への継承が十分に行われているとはいえず、消滅危機にある。 沖縄語のいくつかの方言には体系的な文法記述がある。先行研究から糸満方言にそれらの方言と異なる特徴があることは知られているが、その実態が詳細に記述されたことはこれまでほとんどなかった。 消滅危機にあるにも拘わらず詳細が記述されていないため、その記述は喫緊の課題といえる。本研究では、実地調査をもとに、糸満方言の文法の体系を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、消滅の危機にあるがほとんど記述されていない、沖縄語糸満方言の記述を目的としていた。 2023年度は、いわゆるボアズ式の三点セット(文法記述、語彙集、談話資料)の作成を目標として研究を行った。文法概説は、その言語の基礎的な文法の実態を記したものである。そのために必要な言語データは、国立国語研究所などの調査票を用いて収集した。音韻論、名詞の形態論、動詞複合体の形態論、形態統語論などのトピックについて調査を行った。本研究課題の開始が2023年度途中であったため、未だ論文の業績はないが、文法概説を執筆するために必要なデータを揃えることができた。現時点では文法概説の執筆を開始しており、2024年度中に論文として雑誌に投稿する見込みである。 また、現地調査において糸満方言による祭祀に関する談話資料を数点収集した。祭祀に関する談話資料は、文化的な価値を有すると同時に、文法概説に記述された文法が実際の発話で有効かどうかを読者がチェックするための資料としても用いられる。こちらも論文として雑誌に投稿する見込みである。 また、これらに加えて、数百語分の語彙資料を収集した。語彙調査では、談話資料および文法概説の文法調査で出現した語彙に加えて、いくつかの基礎語彙について音形と意味を収集した。 以上のことから、言語記述の初期段階において有効とされるボアズ式の三点セットを揃えつつある。したがって、研究目的と実施計画を順調に達成しつつあるといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
糸満方言の文法概説を執筆することを申請時の目標としていた。現時点である程度の文法データを収集し、談話資料の収集も行い、論文として投稿できる見込みであるため、当初の目標を達成できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
収集した言語データをもとに執筆中の文法概説、談話資料集、語彙集を論文として完成させ、投稿することを目標とする。 それに伴い生じた言語学上の疑問を、現地調査で補完する。
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