| 研究課題/領域番号 |
23K18702
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| 研究種目 |
研究活動スタート支援
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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| 研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
KIM YUBI 一橋大学, 大学院社会学研究科, 研究補助員 (50979036)
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| 研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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| キーワード | 植民地兵士 / 軍隊文化 / 日韓関係 / 軍事文化 / 韓国軍 / アジア・太平洋戦争 / 帝国日本 / 軍隊経験 / 植民地朝鮮 / 植民地 / 韓国 / 軍事史 |
| 研究開始時の研究の概要 |
現代韓国社会において、兵役は「真の男になる」といわれ、重視されている。大多数の成人男性は入隊し(女性は下士官以上の募兵)、軍事訓練を受けると同時に、極端な精神主義、厳しい上下関係、私的制裁などの「軍事文化」を経験し、社会に復帰しても内在化される。本研究ではこのような韓国の軍事文化について、帝国日本の戦争及び軍隊経験の連続性という観点から、軍事文化の胚胎の問題に着目し検討する。これにより、帝国日本が残した「負の遺産」が、戦後韓国にどのように生き残り、韓国社会に影響を与えたのかを、一国史を超え、日本-韓国にまたがって明らかにする。
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| 研究実績の概要 |
2024年度には、まずフィールドワークおよび史資料調査を実施した。日本国内では、東京都所在の国立公文書館、国会図書館を訪問し、さらに6月には戦争関係資料を豊富に所蔵している奈良県立図書情報館(奈良県所在)を訪問した。 また、8月の海外調査では、韓国ソウル市に所在する国会図書館、弘益大学校中央図書館、国立中央図書館を訪問し、研究に非常に重要な韓国軍の軍隊教範(野戦教本)などを追加で収集した。これにより、研究に必要な史資料の一部を入手することができた。 さらに、研究成果として、「朝鮮人帰還兵のアジア・太平洋戦争と戦後―特集 帰還兵研究の国際化を展望する」という論文を『歴史評論』896号(歴史科学協議会編、2024年12月、52-65頁)に投稿し、掲載された。この成果は、本研究の目的である「帝国日本における『軍隊経験』の連続性」の把握に向け、その背景および前史に関する研究成果を発表できたものである。論文の作成にあたっては、2023年から2024年にかけての出張および購買資料の分析を通じて得られた知見が大きな役割を果たしたと言える。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
まず、金ユ毘「朝鮮人帰還兵のアジア・太平洋戦争と戦後―特集 帰還兵研究の国際化を展望する」(『歴史評論』896号、歴史科学協議会編、2024年12月、52-65頁)を投稿・掲載したことは、本研究の成果が形になり始めたものと位置付けられる。 本論文では、本研究が対象とする日本軍および戦場を経験した朝鮮人兵士たちが、戦後にいかなる経験を経たのか、また韓国へ復帰する過程およびその後の生活がどのようなものであったのかを明らかにした。 これにより、日本軍および戦場経験を有する朝鮮人兵士たちが、戦後韓国社会に対していかなる影響を及ぼしたのかについて、一定の見通しを得ることができた。この成果は、当初の計画をやや上回る進捗であると言える。 なお、本研究については、研究代表者の他業務の多忙および子の養育との両立により、当初想定していた研究時間の確保が難しい状況が生じた。さらに、収集した資料の分析と論文執筆に想定以上の時間を要していることから、より精緻な成果をまとめるため、研究期間の延長申請を行った。 これにより、本研究の目的である「帝国日本における軍事経験と戦後韓国における軍事文化形成の連続性」に関する検討を、より確実に完成させることを目指している。
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| 今後の研究の推進方策 |
2024年度に得られた成果を踏まえ、2025年度には以下の方針で研究を推進する。 第一に、韓国・日本・アメリカにおける史資料を用いて、さらなる分析作業を進める。これにより、戦場および日本軍経験を有する朝鮮人兵士たちの戦後の動態について、より立体的な把握を目指す。 第二に、計画通り研究成果の発表を進める。2025年12月までに、韓国の「軍事文化」形成に関する論文を執筆し、投稿する予定である。本論文では、日本軍出身の朝鮮人兵士たちが、戦後韓国における軍事文化の形成にいかなる役割を果たしたのかを中心的なテーマとする。 第三に、韓国および日本の学会において研究報告を行い、あわせて研究会等で専門家からの助言を得ることで、分析の精度を高める。 以上の取り組みを通じて、帝国日本における軍事経験が、戦後韓国社会にどのように引き継がれ、「軍事文化」の形成にいかなる影響を及ぼしたのかを明確にしていく予定である。
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