研究課題/領域番号 |
23K18709
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
大島 佳代 奈良女子大学, 大学院人間文化総合科学研究科, 博士研究員 (50985596)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 東北史 / 鎌倉幕府 / 内乱史 / 中世史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本の中世前期における内乱の政治的性格および中世社会の形成との関係を、奥羽地方を主たるフィールドとして検討することにある。 具体的には、鎌倉幕府による奥羽支配の根拠とされてきた「奥州羽州地下管領」を、内乱期の公武関係や国政状況を踏まえつつ再検討し、その上で鎌倉期における同地方の政治史的諸論点(奥州惣奉行・国守と知行国主・郡地頭職等)を再考する。また、鎌倉末期に蜂起した津軽安藤氏の政治的基盤や、北関東をはじめとする他地域の諸勢力と安藤氏との人的交流を復元する中で、鎌倉幕府滅亡から南北朝期にいたる同地方の内乱状況を捉え直し、あわせてこれを全国的内乱の中に位置付ける。
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研究実績の概要 |
本研究は、鎌倉幕府による奥羽支配の根拠とされてきた「奥州羽州地下管領」および、鎌倉期における同地方の政治史的諸論点(奥州惣奉行・国守と知行国主・郡地頭職等)を再検討し、さらに鎌倉末期に蜂起した津軽安藤氏の政治的基盤を復元することで、幕府による直轄的支配がなされたことで知られている奥羽地域の戦後体制の形成過程および、それらに全国的内乱が及ぼした影響を明らかにすることを目標としている。 2023年度は、研究実施計画を踏まえて、「奥州羽州地下管領」や陸奥国の国守と知行国主、陸奥国津軽地域の領有関係にかかわる史料を収集し、また「奥州羽州地下管領」に関する先行研究を整理して、改めてその成果・課題・展望を整理した。その成果として、大阪歴史学会2023年度大会および中世文化史研究会において、「中世前期における全国的内乱と奥羽地方」と題して報告を行なった。右の報告は論文「中世前期における全国的内乱と奥羽地方」として発表し、さらに大会報告でとりあげられなかった問題については、「平安末期から鎌倉期の陸奥国における知行国主・国守と人々の去来」と題した論文で発表した。上記の諸論文は、「奥州羽州地下管領」について内乱期の公武関係や国政状況を踏まえつつ再検討した上で、奥州惣奉行・国守と知行国主・郡地頭職等といった戦後体制の形成過程を再考したもので、北関東をはじめとする他地域の諸勢力と安藤氏との関係性にも論及した。2024年度は、上記論文の成果を前提に、研究を進めることにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連史料の収集については、おおむね予定どおり順調に行うことができ、あわせてそれらの読解も進めることができた。 2024年度も、引き続き史料収集・整理を進めるとともに、学会報告や論文執筆により研究成果の公開につとめたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024度には、上記した前年度の研究成果を踏まえつつ、さらに史料収集・整理を進め、平安末期~南北朝期までを見通した総括的な研究を行っていく予定である。特に、京・鎌倉・北関東と奥羽地域の諸勢力の広域的な関係について、関連史料の収集と分析につとめたい。 また、あわせて研究成果の公開にも努力する。2023年度と同様に、学会報告や学術雑誌への投稿を目指し、研究成果をより広く公開できればと考えている。
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