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横穴式石室の展開からみた古墳時代後期の集団関係に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K18723
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
研究機関奈良県立橿原考古学研究所

研究代表者

冨田 樹  奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 技師 (30983895)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード横穴式石室 / 古墳時代 / 構築技術 / 石材 / 儀礼行為 / 工人 / 設計 / 流通構造
研究開始時の研究の概要

本研究では、横穴式石室について、「どのような人・集団」が「どのようにして」構築したのか、という視点での検討を行う。具体的には、横穴式石室以前の埋葬施設を含めて、横穴式石室の意匠や構築技術、埋葬儀礼等を分析することで、横穴式石室に関わる工人や情報の移動の内実を明らかにする。これにより、横穴式石室を受容する地域社会・集団が保持していた他地域・集団との関係の実態を解明する。

研究実績の概要

令和5年度は、横穴式石室のヴァリエーションが豊富な関東を中心に検討を行った。検討のための基礎データとして、関東の横穴式石室の集成作業を実施しており、茨城県、千葉県、群馬県について集成を概ね完了し、他都県についても集成を進めている。
現時点で、関東では横穴式石室の形態が小地域内で統一されず、石材のみが共通する事例があることが判明してきた。一方、石材が異なっていても石室形態が類似する事例も散見される。そして、こうした状況が同一地域内、あるいは隣接地域において錯綜することを認識できた。そのため、こういった現象の背景を探るべく検討を行っている。
また、横穴式石室に階層性が反映されにくい地域があることも分かってきた。例えば、群馬県域の6世紀後半の古墳では横穴式石室が普遍的に採用されている。そこでは最上位層以外の横穴式石室に大きな形態差・規模差がみられず、横穴式石室から階層差を認定することが困難である。群馬県域では、横穴式石室の形態に階層性以外の、水平的な社会関係が表示されている可能性が高いといえるが、その内実については現在検討を進めている。
集成を行う中で、集落では珍しい形態の土師器高坏が、関東各地の有力古墳から出土することが確認できた。地域を越えて共通した儀礼行為が行われている可能性があり、集落遺跡や横穴式石室以外の竪穴系埋葬施設の古墳からの出土事例を探索している。
また、現在のフィールドである近畿地方についても、横穴式石室の導入期は石室ヴァリエーションが豊富であり、本研究の目的に合致するため、事例収集を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

横穴式石室の集成によって、予想以上に横穴式石室のヴァリエーションが豊富であることが改めて認識できた。現在は、こうした多様性を評価した上で、本研究のテーマである情報の移動や集団関係の実態を把握する方法を模索している段階であり、検討が十分に行えているとはいえない。
一方で、横穴式石室の集成作業や、本研究に関わる要素の抽出は、順調に進んでいる。特に儀礼行為に関しては一定の見通しが得られている。
こうした理由により、現在までの進捗状況を、上記のように評価している。

今後の研究の推進方策

①関東地方の横穴式石室の集成作業の継続。栃木県、東京都、神奈川県、埼玉県を中心に行う。
②横穴式石室の多様性を評価しつつ、情報・工人の移動や集団関係の実態を把握する。
③横穴式石室とその周辺で行われた儀礼行為に関する検討。土器に着目して検討を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 近畿地方における有段構造の横穴式石室について2024

    • 著者名/発表者名
      冨田 樹
    • 学会等名
      第242回考古学研究会関西例会(兵庫例会)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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