研究課題/領域番号 |
23K18741
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山下 毅 東北大学, 国際連携推進機構, 学術研究員 (00986870)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 国際調停 / 国際紛争処理制度 / ティモール海調停 / 国連海洋法条約 |
研究開始時の研究の概要 |
国際調停は、伝統的に紛争当事国間の伝統的に紛争当事国間の主観的利害調整を本来の機能としている。これに対し、近年は条約秩序の客観的な合法性を確保するための制度としての運用が試みられている。 国際調停の伝統的な理解に留まると、客観的合法性確保制度のもとで国際調停が果たす役割を適切に理解することができない。そこで本研究では、国際調停が、多国間条約の客観的合法性確保のために新たな機能を備えているのか、またその場合はどのような機能かを明らかにする。同時に、多国間条約の履行確保制度としての国際調停がどこまで妥当なのかを検討する。
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研究実績の概要 |
初年度にあたる本年度は、国際調停の伝統的機能と認識されている、二国間の主観的な利害調整機能についての分析・検討を行った。その過程で、国際調停は、なぜ国際裁判と異なり、国家間の主観的な利害調整により紛争解決が可能なのか検討を行った。また、国際調停の主観的な利害調整機能はいかなる制度的特徴により果たされているのかを検討した。 本年度における分析・検討内容としては、第1に、重要文献の調査により国際調停が設立された際の経緯を整理した。第2に、国際調停による二国間の主観的利害調整機能を理解するうえで重要な事例であるティモール海調停事件について分析を進めた。また、ティモール海調停事件において国際調停が行った当事国間の主観的な利害調整手法は、国際裁判ではほぼ不可能な独自の手法であることを明確にした。第3に、本事例に東ティモール側で当事者として参加した東ティモール海洋境界画定事務局の職員との接触に成功し、当事者の視点から国際調停の紛争解決手法の有用性について議論した。 これらの成果としては、口頭発表を行うことができた。また、現在海外ジャーナルに投稿し、掲載に向けた調整を行っている。さらに、本研究成果は日本語でも刊行予定である。 今後の研究の推進方策としては、本年度の研究成果により主観的な利害調整機能が備わっていることが明らかになった国際調停が、いかにして人種差別撤廃条約など多国間条約の履行確保制度として客観的な合法性確保機能を果たしうるか、分析・検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究計画に沿って、国際調停の伝統的機能に関する分析を進め、研究成果の公表に向けた調整を進めているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って、国際調停の新たな機能である客観的な合法性確保機能に関する分析・検討を行う。これらの成果は、口頭発表や論文執筆等を通じて公表される予定である。
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