現代欧州の急進右翼政党は、政治舞台での復活、選挙における躍進、政党システムへの定着、さらに政権参画の実現を経た現在、一部の国においては、持続可能な統治能力さえも獲得した。しかし、ごく一部の例外を除けば、政権与党としての急進右翼政党の統治能力を、国際比較的視点から考察する研究はほとんどなかった。本研究は、内政面での新型コロナウイルス・パンデミックと、外交面でのロシアによるウクライナ侵攻という二重の危機に直面する急進右翼政党の政策立場と戦略的行動、およびそれらがもたらした政策的影響を、定性的手法と定量的手法を交えつつ実証的に分析し、これら政党の統治能力を総合的で客観的に評価することを目的とする。
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