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プログラマティック広告が市場競争に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 23K18786
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0107:経済学、経営学およびその関連分野
研究機関熊本県立大学

研究代表者

劉 鴿  熊本県立大学, 総合管理学部, 助教 (70979286)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード広告市場 / 市場競争 / 参入障壁 / 価格決定 / 社会余剰 / プログラマティック広告 / 社会厚生 / 競争政策 / 比較静学
研究開始時の研究の概要

本研究はプログラマティック広告の仕組みがどのように市場競争と社会的厚生に影響しているかを分析する。プログラマティック広告はインターネット上で自動化された入札システムを用いて広告を掲載する仕組みである。企業にとって予算や配信内容が柔軟に選択でき、ターゲティングもできるメリットがあるため、新しいマーケティング手段として効率的だと広告業界で注目されている。しかし、経済学の意味でプログラマティック広告は効率的とは限らず、社会余剰の観点から望ましくない広告方法の可能性も考えられる。プログラマティック広告が市場競争と社会厚生への影響を明らかにし、新種の広告手法に関する適切な競争政策を提案することを目指す。

研究実績の概要

本研究は理論経済学の視点から、プログラマティック広告の仕組みがどのように市場競争と社会厚生に影響しているかを分析する。プログラマティック広告とはインターネット上で自動化された入札システムを用いて広告を掲載する仕組みである。企業にとって予算や配信内容が柔軟に選択でき、ターゲティングもできるメリットがあるため、新しいマーケティング手段として効率的だと広告業界で注目されている。しかし、経済学の意味でプログラマティック広告は効率的とは限らず、社会余剰の観点から望ましくない広告方法である可能性も考えられる。現在、プログラマティック広告市場は、Google、Facebook、Amazonなどの大手テクノロジー企業によって支配されている。これらの企業は膨大なデータと技術を持っており、中小企業はこれらに追いつくのが難しいため、新規参入企業は依然として市場参入障壁に直面し、市場参入障壁が高くなっている。一方、需要側プラットフォーム(DSP)と供給側プラットフォーム(SSP)の存在は、広告主側とメディアパブリッシャーの市場参入障壁を低下させる可能性がある。これにより、両側の新規参入企業が市場に参入し広告しやすくなり、市場競争が促進される可能性がある。そのため、最終的にプログラマティック広告が市場競争を促進するかどうかは、市場支配企業の存在などによって異なるため、直観的に不明である。本研究は、プログラマティック広告の発展で発生した市場への複雑な効果が最終的に市場での結果にどのような影響があるのか、特に反競争的な影響がないのかを明らかにしたい。
このテーマに関する研究は、広告市場における競争構造、参入障壁、広告主の意思決定、規制などに深い洞察を与え、広告市場のより良い発展と成長に貢献することができる。さらに、経済学だけではなく、広告に関するマーケティングや戦略の経営学に理論的な土台を提供できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

この研究が若干遅れている理由は、プログラマティック広告に関する経済学の先行研究が限られています。先行研究のサーベイの部分で遅れています。この分野では、企業データや広告プラートフォームの仕組みの公開が制限される場合があり、それが研究の障害となっています。企業が保持するデータは競争上の秘密である場合が多く、アクセスが制限されることが一般的です。そのため、十分な量の真の情報にアクセスすることが難しく、先行研究の不足が研究の進行に影響を与えています。現時点では、多くの異なる関連分野の研究者に連絡を取り、情報収集を行っています。

今後の研究の推進方策

情報不足の課題に対して、情報系の研究からの情報取得を試みています。情報工学の研究では、プログラマティック広告の技術や運用方法に関する豊富な情報が提供されています。これらの研究から得られる知見を活用し、広告市場の動向や競争のメカニズムを理解するためのモデル構築に役立てています。情報系の研究から得られるデータは、企業データに比べて公開されやすい傾向があり、その利用は研究の進行に大きな支援となるでしょう。
今後はまずサーベイ関連する文献を網羅的に収集し、それらを分析して研究の文脈に組み込むことで、既存の知識に基づいて理論的枠組みを構築します。そのため、これを迅速に進めることで研究の遅れを取り戻し、より洗練された研究成果を得ることを目指しています。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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