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Countercyclical Elasticity of Substitution

研究課題

研究課題/領域番号 23K18802
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0107:経済学、経営学およびその関連分野
研究機関大阪大学

研究代表者

高 東也  大阪大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (50978773)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード資本と労働の代替弾力性 / 高スキル・低スキル労働者 / 生産関数 / 景気循環モデル
研究開始時の研究の概要

従来のマクロ経済学における「実物景気循環モデル」では長期の均斉成長経路を満たすためにCobb-Douglas生産関数が必要条件とされてきた。しかし、この関数を仮定したモデルでは、労働市場のマクロデータの短期変動パターンをうまく説明できないことが知られている。この問題を解決するために、本研究では、短期と長期で異なる資本と労働の代替弾力性を持つ新しい生産関数を考案する。具体的には、短期の代替弾力性が好況・不況時で変動することを実証的に明らかにした上で、新しい生産関数を用いた景気循環モデルの予測が労働市場データと整合的かどうかを検証する。さらに、新しい生産関数のミクロ基礎を示す。

研究実績の概要

本研究では、従来の景気循環モデルに、短期と長期で異なる資本と労働の代替弾力性を持つ生産関数を組み込むことで、今まで説明のできなかった労働市場のダイナミクスを説明することに成功した。その結果を踏まえて、現在、査読者からは短期と長期で異なる代替弾力性のミクロ基礎となる理論モデルの構築を要求されており、その改訂作業に主に取り組んできた。経済の景気変動と連動して変化する短期の代替弾力性をモデル化するためには、経済の異質性を考慮する必要がある。
そこでまず初めに、企業の市場への参入や退出が景気変動と関連しているという点に着目し、企業の異質性から代替弾力性のモデル化を試みた。しかし、コブ・ダグラス型生産関数を仮定した各企業が参入・退出を繰り返しても、経済全体の生産関数の代替弾力性は変化しないことが判明した。この結果から、各企業の生産関数に異質性を導入することで代替弾力性を変動させる可能性が示唆されたが、各企業の生産関数における異質性は未だ実証的に検証されていないので、今後の研究課題とする。
次に、労働者の異質性に焦点を当てた。高スキルと低スキルの労働者に分類される労働が景気変動に対して異なる変動パターンを示すこと、および高スキルの労働者は資本との補完関係が強いことから、代替弾力性の景気変動を説明できると考えた。Krusell, Ohanian, Rios-Rull, &Violante(2000)のモデルを基に、高スキルと低スキルの労働者の構成が変化することによって代替弾力性も変動することを理論的に示した。さらに、モデルの結果をデータと照らし合わせることで、理論とデータの整合性も確認することができた。これにより査読者の要求に基づく改訂が概ね完了し、現在、論文の書き直し作業を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、令和5年から6年にかけて、2年間の改訂作業を行い、論文の再投稿を目指して取り組んでいる。令和5年度においては、主に論文の改訂に時間を費やし、査読者からの要望であるミクロ基礎とその理論から導かれる結論のデータに基づく検証作業に従事してきた。当初の予定としては令和6年の3月までに理論モデルを完成させ、その後、コンファレンスで発表をする予定であったが、実際、昨年の12月に理論モデルは完成をしている。令和6年度の計画としては、再投稿する前に、この結果をいくつかの国内外のセミナーやコンファレンスで発表し論文の微調整をした後、9月には再投稿する予定である。現在、論文を改訂しつつ、セミナーなどで発表を行っているので、予定通りプロジェクトが進んでいるとみることができる。

今後の研究の推進方策

まずは論文の改訂を完了させ、再投稿することが最優先事項である。令和6年6月までに論文の改訂を終え、同時進行で9月までの間、国内外のセミナーやコンファレンスで発表を行っていく。そして、フィードバックを基に論文の最終微調整を行い、9月には再投稿する計画である。その後、どのぐらいの期間で投稿論文の結果が返ってくるかは未定だが、その結果次第でさらなる改訂に進むか、他の国際学術雑誌に投稿をするか決める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [国際共同研究] NYU Abu Dhabi(アラブ首長国連邦)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Countercyclical Elasticity of Substitution2023

    • 著者名/発表者名
      高東也
    • 学会等名
      Macroeconomic Workshop at Kansai Macro Group in Japan
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Countercyclical Elasticity of Substitution2023

    • 著者名/発表者名
      高東也
    • 学会等名
      Seminar at Sogang University in South Korea
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Countercyclical Elasticity of Substitution2023

    • 著者名/発表者名
      高東也
    • 学会等名
      OzMac Workshop at Monash University in Australia
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Countercyclical Elasticity of Substitution2023

    • 著者名/発表者名
      高東也
    • 学会等名
      Seminar at Tohoku University in Japan
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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