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数値的統計分析の推定精度改善と計算処理効率化のためのアルゴリズムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K18819
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0107:経済学、経営学およびその関連分野
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

中北 誠  国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 特別研究員 (10986912)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードベイズ統計学 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / ASIS / 推定精度 / ミキシング効率 / MCMC / 数値的統計分析 / 計算効率
研究開始時の研究の概要

本研究では、Yu and Meng (2011)で提唱されたAncillarity-Sufficiency Interweaving Strategy (ASIS)を時系列データやパネルデータの分析に適用することで効率的な統計数値分析を実証するとともに、ASISよりも効率的なアルゴリズムの構築を目指す。ASISは極端に分散が大きい/小さいデータなどには特に有効となるため、データが多様化する現代において多くの応用先が期待できる。現状、時系列データ以外にもパネルデータ分析のモデル設計や数値的統計分析への応用は完了しているので、研究・実務において有用となるアルゴリズムを開発することを計画している。

研究実績の概要

本研究では、このASISを時系列データやパネルデータの分析に適用することで効率的な統計数値分析を実証するとともに、ASISを発展させることでより効率的なアルゴリズムの構築を目指してきた。ASISは極端に分散が大きい/小さいデータやサンプルサイズが小さいデータには特に有効となるため、データが多様化している現代において多くの応用先が期待できるアルゴリズムである。
2023年度の研究では、まずASISが従来適用されていなかったパネルデータ分析のMCMCへの適用に拡張し、この新アルゴリズムを適用した階層ベイズモデルを構築してアンバランスドバネルデータのスポーツデータを用いた実証分析を行った。このデータはサンプルサイズに対してパラメータ数が比較的大きく従来手法では推定が不安定なデータであるが、新アルゴリズムによりミキシング効率が改善し安定的な推定を実現した。他にも、日本酒のパネルデータを用いた階層ベイズモデルや、金融データを用いたSVモデルの効率改善アルゴリズムの開発も一定の成果を得られている。
これらの研究成果により査読付き英文誌に1本の論文を掲載することができた。また、研究代表者を発表者として国際会議、国内学会、研究集会等合わせて4件の研究報告を行った。現在は学会報告で受けたフィードバックを反映させつつ、研究成果をワーキングペーパーとしてまとめる作業を進めており、論文は査読付き学術英文誌に投稿予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

先行研究のほとんどはASISアルゴリズムをSVモデルに適用した研究であり、SVモデル以外への拡張は本研究においてはじめに達成しておきたい課題であった。さまざまなアプローチによる試行錯誤の繰り返しにより得られたアルゴリズムの改良により、2023年度中に階層ベイズモデルによるパネルデータ分析への拡張を達成し、その研究成果は査読付き英文誌に論文掲載をすることができた。
現在はパネルデータを用いたロジットモデルに適用できる新アルゴリズムを開発している。パネルロジットモデルの推定手法は2000年代に理論的には確立されたものの、MCMCのミキシング効率性などの問題から推定を行うことは非現実的であり、この分野の研究は停滞気味であった。本研究を通じてパネルロジットモデルの推定が可能になれば、パネルロジットの研究が勢いを取り戻すことが期待できる。研究は順調に進んでおり、2024年度中にはアルゴリズム開発を達成するとともに論文投稿ができる見込みである。

今後の研究の推進方策

新アルゴリズムの開発については、階層ベイズモデルへの新アルゴリズム開発が一区切りついたことにより、パネルロジットモデルへの新アルゴリズム開発に移っている。パネルロジットモデルへの新アルゴリズム開発も順調に進んでおり、現時点で既にミキシング効率化や推定安定化について一定の成果が得られている。また2023年度は統計ソフトウェアとして有償のMATLABを使用していたが、無償のPythonによるコーディングも進めている。作成したコードはオープンソースとして公表予定である。
新アルゴリズムの開発に並行し、研究協力者とともに開発したアルゴリズムを用いた応用研究にも着手している。具体的には日本酒の輸出に関するパネルデータや日本人の生活状況や健康に関するパネルデータを用いて、マーケティングからヘルスケアまでさまざまな分野の実証分析を進めている。新アルゴリズムの開発が進めば、応用研究をさらに拡大するつもりである。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Hierarchical Bayesian analysis of racehorse running ability and jockey skills2023

    • 著者名/発表者名
      Nakakita M.、Nakatsuma T.
    • 雑誌名

      International Journal of Computer Science in Sport

      巻: 22 号: 2 ページ: 1-25

    • DOI

      10.2478/ijcss-2023-0007

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Bayesian Analysis of Stochastic Conditional Duration Models with Intraday and Intra-deferred Future Seasonalities in High-frequency Commodity Market2024

    • 著者名/発表者名
      中北誠
    • 学会等名
      統計科学・機械学習・情報数学の最前線
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ASISによるベイズ推定のMCMC効率改善化とその適用可能範囲2023

    • 著者名/発表者名
      中北誠
    • 学会等名
      2023年度統計関連学会連合大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ASISによるベイズ推定のMCMC効率改善化とその適用2023

    • 著者名/発表者名
      中北誠
    • 学会等名
      計量経済学ワークショップ
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Bayesian modeling of high frequency stochastic volatility with intraday seasonality and skew heavy-tailed error2023

    • 著者名/発表者名
      Makoto Nakakita
    • 学会等名
      17th International Conference on Computational and Financial Econometrics
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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