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英国の乳幼児教育における子どものSafeguardに関する政策の展開と実践

研究課題

研究課題/領域番号 23K18858
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0108:社会学およびその関連分野
研究機関駒沢女子短期大学

研究代表者

猪熊 弘子  駒沢女子短期大学, その他部局等, 教授 (10811359)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードSafeguard / Safeguarding children / 子どもの安全 / 保育事故予防 / 英国 / 乳幼児教育 / DBS制度 / ECEC / Diversity / England / Ofsted
研究開始時の研究の概要

英国(主にイングランド)の乳幼児教育において、子どもの安全を守る(Safeguard children)ための施策や制度の変遷、乳幼児教育・保育現場での具体的な実践を明らかにすることによって、日本でも大きな社会問題となっている乳幼児教育・保育現場における「不適切な保育」や虐待、死亡事故を含む重大事故を防ぐために、またLGBTや移民など多様性を持つ子どもたちの権利や「心の安全」を守るために、どのような政策や制度が必要なのかに関する示唆を得たいと考えている。

研究実績の概要

本研究の目的は、日本と同じように様々なタイプの乳幼児教育施設がある英国(本研究においては主にイングランドを指す)において、保育・教育を受けている子どもを守る(Safeguarding Children)ための政策や制度がどのように変遷し、子どもに関わる人たちによって実際に現場でどのように実践されているのか、そこにどのような課題があるのかについて、文献調査及び現地でのインタビュー調査等によって明らかにすることである。本研究における「子ども」にはLGBTや移民など多様性を持つ子どもたちも当然含まれており、インクルーシブな観点から、英国の乳幼児教育施設において子どもの心と身体の安全を守るために必要な施策や制度について明らかにしていきたい。っそしてその結果から、わが国における保育施設での死亡事故を含む重大事故、あるいは国内で大きな社会問題となっている子どもへの性犯罪やその他の虐待といった「不適切な保育」を防ぐために必要な方策を導き出したいと考えている。
これらの目的をふまえ、令和5年度には研究方法の確立やインタビュー対象者の選定やインタビュー調査の準備のほか、文献調査を進めた上で、学会発表を行った。英国にならったDBS制度の導入を盛り込んだ「こども性暴力防止法案」が国会で審議され6月19日に成立することから、英国の子どもの安全について包括的に調査を行う本研究はますます重要なものになると考えている。国連子どもの権利条約を批准してから30年が経ち、ようやく4つの一般原則を基に「こども基本法」が成立した日本において、真の意味で子どもの権利を守るために「子どもの安全(Safeguard)」のあり方について検討していくことが必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年9月本研究の採択後、令和5年度後半からの実施となったため、申請当初のスケジュールに比べると少し遅れているように見えるが、実際には概ね予定通りに進んでいる。採択前の令和5年8月30日から9月2日にポルトガルの首都リスボンで行われたEECERA(ヨーロッパ乳幼児教育学会)に参加した際に、学会でのいくつかの発表を通して知り合った専門家や実践者に本研究に関する協力を依頼することができた。さらに学会後、英国・ロンドンに行き、EECERAでの学会発表に参加していた研究者や実践者が勤務している乳幼児教育施設2か所のほか、全部で3か所の施設を訪問し、主に安全責任者の資格を持つ保育者等に話をうかがいながら施設内の見学を行うことができた。日本とは違い、英国では乳幼児教育施設における子どもの安全を守る(Safeguard)ためにさまざまなことが法令で義務付けられており、保育者の採用に関わるDBSの取り方をはじめ、施設内の施錠の方法やID確認、さらには園庭遊具を安全に使うための減価償却期間、移民など多様性のある子どもたちに対する安全確保や、インクルーシブな保育内容のあり方などについて話を聞くことができた。それらの訪問をきっかけに、次年度に正式なインタビューを行うことを前提に、インタビューに応じてくださる方をスノーボール式に募り、インタビュー者を選定して依頼ができるよう準備を進めている。また、インタビュー調査を行う前提として大学の倫理審査の準備を整え、まもなく審査に入るところである。

今後の研究の推進方策

今後は令和6年度に英国の乳幼児教育施設で働く保育者等に対するインタビュー調査を行い、年度内にその結果を分析し、学会発表の他、論文にまとめて発表することを目指している。当初、申請時にはインタビュー調査は令和5年度内に実施する予定であったが、採択のタイミングや、円安による予想経費の増大、倫理審査の準備(英語による依頼書の作成等)に時間がかかっていることから、令和6年度に移して実施することとしている。保育者へのインタビューは子どもの安全(Safeguard)に関するものを中心として行うが、その際には2つめのリサーチクエスチョンである「乳幼児教育における子どものDiversity(多様性)への対応とSafeguard政策の実践」についても成果を出せるよう、乳幼児教育施設にいる移民やLGBTQなど多様性のある子どもたちに対する安全対策や制度についてもできる限り一緒に調査できるように計画しようと考えている。もし「乳幼児教育における子どものDiversity(多様性)への対応とSafeguard政策の実践」に関する調査が不十分である場合には、令和6年度中に再度渡英する時間を設けるか、またはオンラインでのインタビューが可能であるかどうか検討し、いずれかの方法で追加の調査を行った上で、別の学会発表や論文発表を行っていきたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 英国の乳幼児教育における 子どものSafeguardに関する政策の展開と実践 ― DBS制度の成立と展開 ―2023

    • 著者名/発表者名
      猪熊弘子
    • 学会等名
      日本保育学会第77回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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