研究課題/領域番号 |
23K18885
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸常盤大学 |
研究代表者 |
田中 達也 神戸常盤大学, 教育学部こども教育学科, 講師 (40981345)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 変革を起こすコンピテンシー / 防災教育 / 探求型アーギュメント / 教師教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、変革を起こすコンピテンシーの育成を目指した、小学生対象の探究型アーギュメントを導入した防災教育プログラムを開発し、その有効性を検証することである。防災教育では、自然災害等のリスクから自分や他者を守り、社会や地球全体の持続可能性に貢献することが求められている。これは、OECDが提唱する「変革を起こすコンピテンシーを育成し、複雑性や不確実性に適応し、より良い未来を創造すること」と一致する。本研究によって防災教育を開発し、その有効性を明らかにすることができれば、防災教育の定型化・形骸化の解決に関する新たな知見を提供することが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,変革を起こすコンピテンシーの育成を目指した,小学生対象の探究型アーギュメントを導入した防災教育プログラムを開発し,その有効性を検証することである。 そのために,①防災教育における変革を起こすコンピテンシーの定義及び評価指標の明確化,②定義及び評価指標に基づく防災教育プログラムの開発③防災教育プログラムの有効性の検証,④防災教育プログラムの実践的提案を行う予定である。 2023年度は,防災教育における変革を起こすコンピテンシーに関わる先行研究を精査し,その定義及び評価指標について分析を進めた。また,研究協力校においてICTを活用した避難訓練を実施した。これらの研究により,防災教育における変革を起こすコンピテンシーとして,自然災害発生メカニズムの知識をもとに,自身の命を守るための適切な避難行動をとる力として「責任ある行動を取る力」,科学的な背景だけでなく,社会的要請や立場を踏まえ,他者とともに合意を形成する「対立やジレンマに対処する力」,従来の防災対策を見直し,これまでにない視点からの防災対策を考える「新たな価値を創造する力」という3点を見出すことができた。また,評価指標については,中学生対象の防災行動尺度や教員の防災教育に関する信念研究などを中心に検討を行った。プログラムの実施については,研究協力校とその実施方法について検討を行った。 アーギュメントについては,教員志望学生が小学校理科教育にアーギュメントを導入するための教師教育プログラムを実施することによって,学生のアーギュメント構成能力,アーギュメント評価能力が向上するのかを検討を行った。 2023年度の研究成果の発表に関しては,日本理科教育学会第73回全国大会,日本科学教育学会第47回年会,防災教育学会第4回大会,理科教育学研究第64巻第1号に研究成果の一部を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付申請書に記載した研究目的について,2023年度はやや遅れている。防災教育における変革を起こすコンピテンシーの定義及び評価指標の検討,及び研究協力校におけるICTを活用した避難訓練,アーギュメント構成能力,アーギュメント評価能力の育成に関する研究に着手することはできたものの,防災教育プログラムの開発及び,実施までは行えていないためである。研究成果の発表については、国内学会において,防災教育実践やアーギュメントに関する研究成果を公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に完了することができなかった防災教育プログラムを開発・実施し、変革を起こすコンピテンシーの定義及び評価指標をもとにした防災教育プログラムの有効性について検証する予定である。研究成果の発表については、国際会議および国内学会における研究発表に加えて、学術誌論文の作成を行う。
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