研究課題/領域番号 |
23K18900
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
元濱 奈穂子 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 助教 (70976993)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大学教育 / 市民参加 / 互恵性 / サービスラーニング / 学修成果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ボランティアや体験学習など、市民の協力の下で大学生の資質・能力の向上を目指す「市民参加型大学教育」を対象とし、こうした教育を大学生と市民の双方の学びの機会と位置づける「互恵性」という概念が、大学教育の文脈の中でどのように具現化しているのかを明らかにするものである。 具体的には、市民参加型大学教育を担当する教員、受講する学生、参加する市民の三者関係に着目したインタビュー調査と参与観察を通じて、1) 大学教育の枠組みの中で市民の学びをどの程度追求することが可能なのか、および、2) そうした学びが市民にとってどのような意味をもつものであるのかについて精査する。
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研究実績の概要 |
本研究は、市民の協力の下で大学生の資質・能力の向上を目指すボランティアや体験学習などの教育機会を「市民参加型大学教育」と呼び、当該教育において理想とされている「互恵性」という概念に着目するものである。具体的には、市民と大学(生)がともに学ぶことを表す「互恵性」が現場でどのように具現化されているのか、および、具現化にあたってどのような課題や限界があるのかについて、実証的な観点から議論することを目標とする。2023年度は、主に以下の2点について研究を進めた。 第1に、市民参加型大学教育を実施している大学1事例を対象に、参与観察、および、参加する市民に対するインタビュー調査を実施した。いずれの調査でも、市民と教員との役割分担に焦点を当て、双方が相手にどのような役割を期待し、その期待がどの程度満たされている/いないのかを検討した。それを通じて、市民参加型大学教育で大学と市民の学びを同時に実現するうえで必要な事がらや課題を仮説的に見出すことができた。 第2に、市民参加型大学教育に関する文献調査を実施し、先行研究において市民と大学の学びが実現する条件がどのように語られているのかを検討した。その結果、市民参加型大学教育に対する市民と大学の共通認識の形成の必要性とその方法について、先行研究間での共通項を見出すことができた。さらに、見出された共通項の実現にあたって障壁となりうる大学教育の制度的側面について考察を深めることができた。 2023年度は上述の2点の研究成果を論文化した。論文は国際ジャーナルに投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者の妊娠・出産・育児により、予定していたインタビュー調査・参与観察の一部が実施できなかったが、代わりに文献調査と論文執筆を進めることができた。また、2023年度に予定していたインタビュー調査・参与観察についても、2024年度の後半まで実施できる目途が立っている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はさらに2事例に対してインタビュー・参与観察を実施する予定であり、いずれも調査の内諾を得ている。また、2023年度の知見を引き継ぎながら、アメリカにおける市民参加型大学教育に関して理論的な検討を行う。
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