研究課題/領域番号 |
23K18911
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 東北生活文化大学 |
研究代表者 |
山口 刀也 東北生活文化大学, 美術学部, 講師 (30983001)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 子どもの権利 / 教育史 / 子ども福祉史 / 軍事環境問題 / 基地問題 / 軍事性暴力 |
研究開始時の研究の概要 |
研究課題は第1に岩国基地の拡張過程、その過程における子どもの実態と公立小中学校教員の社会的役割の解明、発表である。米軍は1952年に岩国基地拡張を計画、1953年より着手した。それにともない土地接収がなされ、代わって軍事関連工業や(とりわけ性的)サービス産業が隆盛し、地域開発が進んだ。その子どもへの影響と、それに対する教員の取り組みを解明する。 第2の課題は、文部省の本土全域にわたる調査・補償計画と、岩国の場合における調査・補償の実態の解明、発表である。各地の基地が子どもにもたらす影響は省庁でも懸案事項となり、文部省は外務省と交渉しながら本土全域にわたる調査と補償を講じた。その実態を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、1950年代の岩国基地拡張問題の進展下における、①子どもの教育の実態と教師の社会的役割の解明、また、②文部省による基地周辺地域の学校をめぐる調査・補償計画-岩国を例に-の検討、以上の2点を課題とする。 当該年度は、主に①に焦点を当て、基地拡張計画の推進化における行政と住民と教師の関係に関する調査につとめた。また、その時期に作成された子どもを主体とする資料を発見、検討することにより、子どもたちやその保護者にとって基地拡張問題がどのような意味を持っていたのかを分析した。当該内容を含む論文をまとめ、公表することが決まっている。 その意義は2点ある。第1に従来の研究における岩国基地拡張計画に関する知見をより精緻にした点、第2にその計画のもとでの子どもの実態や教師の社会的役割については、従来、知られてこなった。それを明らかにしようとしている点、以上である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、課題①を1年目に、課題②を2年目に行う予定であった。上述の通り、当該年度は①に関する研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況に記したように、課題②の研究を進める。また、課題①の発表にもより力を入れたい。 なお、現在までの研究の過程で、想定していたよりも研究に関わる機器の整備作業や書籍等の購入が求められることがわかり、当初の計画よりも多額の経費を「物品費」にあてる結果となった。それにより機材等についての環境は整えられてきたため、課題①の公表や課題②の究明にあたり、積極的に学外での発表や遠征調査に取り組むようにしたい。
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