研究課題/領域番号 |
23K18924
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
西田 裕明 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (50976074)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | モデリング / アニメーションセルフモデリング / 自閉スペクトラム症 / スキルの獲得 / スキルの般化 / スキル指導 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ASD児者のスキル指導に用いる新たなモデリング技法「アニメーションモデリング」の開発を目指す。ASD児者へのスキル指導では、ビデオ教材を視聴し、スキルとしての行動連鎖を獲得する方法がある。ビデオ教材を用いたモデルの観察学習は、ビデオモデリング(以下、VM)といわれ、多くのスキル獲得に効果を示している。しかし、トイレや入浴の指導などでは、VMで撮影した映像を使うことや映像編集にコストがかかるなどの課題がある。そこで本研究は、ASD児者を対象として行われたモデリング技法を用いたスキル指導を概観し、その成果と課題を検討する。そして、課題に対応する新たなモデリング技法を開発することとする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、自閉スペクトラム症児者を対象として行われたモデリング技法を用いたスキル指導を概観し、その成果と課題を検討し、課題に対応した新たなモデリング技法「アニメーションモデリング」の開発並びに活用することである。第1期と第2期では、従来のモデリング技法であるモデリング、ビデオモデリング、ビデオセルフモデリング、更に申請者が考案したアニメーションセルフモデリングを使ったスキル指導において、どのような効果があるのか、またその課題などについて検討した。モデリング技法については、先行研究からモデリング、ビデオモデリング、ビデオセルフモデリング共に対象の自閉スペクトラム症児のスキル指導に有効な結果が多くみられた。どのモデリング技法が最も効果的かは、対象の自閉スペクトラム症児によって結果が異なり、先行研究では明確に示されてはいなかった。また、VMを適用した実践の有効性が多くの研究で報告された一方で、効果が限定的であった論文が「アダルトモデル」「ピアモデル」「セルフモデル」の3種類とも見られたことも報告されていた。この3種類のモデルはビデオ教材を用いた観察学習で用いられているが、どのモデルが自閉スペクトラム症児に最も有効であるかは、先行研究では明確に示されてはいない現状であった。また、申請者が考案したアニメーションセルフモデリングは、掃除スキル、手洗いスキル、電話の応対スキルの獲得に効果が見られ、またスキルの般化も見られた。さらに、問題行動の抑制にも効果が期待できる結果が見られた。 これらの先行研究から、それぞれのモデリング技法を比較し、優劣を決めることはできず、個々の対象児の実態や発達年齢、好み、興味関心などに応じて適切なモデリング技法を選択し、モデリングの中に対象児の好みを取り入れることが効果的であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で示した1年目の調査(①先行研究と研究方法の検討(2023年4月から6月)、②モデリング、VMなどの先行研究の調査(第1期:2023年6月から10月、第2期:2023年11月から2024年3月)を順調に進め、さらに、アニメーションモデリングの開発まで進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究計画の2年目に実施予定の「アニメーションモデリングを使ったスキル指導(第4期:2024年9月から2025年1月)」に向けて、倫理審査や研究対象者の選出、指導場所の選定などを進めていく予定である。また、作成した「アニメーションモデリング」について、モデリング技法としての妥当性や新規性があるかなどについて、専門家に助言をいただき、さらによりよいモデリング技法の開発につなげていく予定である。
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