研究課題/領域番号 |
23K18949
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
重森 知奈 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 助教 (10849615)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / フィクショナルナラティブ / 言語発達 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum disorder: 以下ASD)児(者)は、対人交流場面における特徴を背景として、他者への語りであるナラティブ産生場面においても困難を示す。本研究では、空想等の語りであるフィクショナルナラティブを分析し、知的発達に遅れのないASD児における言語の特徴と発達について明らかにすることを目的とする。方法は、就学前幼児と小学生(各年代においてASD児、定型発達児)を対象として、4枚からなる系列絵の内容を語ってもらう。語られた発話を逐語録に起こし、発話量や表現された語彙等、因果関連の表現、ストーリー展開等について、両群を比較することで、発達的変化や課題についてとらえる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、知的発達に遅れのない自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder:以下ASD)児の学童期のフィクショナルナラティブにおける言語特徴と発達的特徴を明らかにすることである。 方法は、ASD児と定型発達(Typical development:以下TD)児に対して、4枚からなる系列絵を見せ、どのようなストーリーなのかを語ってもらう。語られた発話を文字に起こし、単語数や文の数等の言語形式、また話の展開等の語り全体の特徴について比較する。対象児は、幼児期と就学後(小学生中高学年)として、時間的な変化に関する比較も行う。データの収集は、ASD児のデータについては、医療療育機関にて行い、ASDの診断があり、協力の得られた対象児に課題を実施する。またTDデータについては、地域の小学校にて、通常学級に在籍している児童を対象に実施する。 これまでの研究データ収集の状況は、幼児の発話データは、研究代表者らが幼児期に言語指導を行った児について、すでに収集済みである(ASD児幼児、TD児幼児各10名)。小学生データは、ASD児、TD児ともに各10名分を今後収集予定である。収集データの分析については、ASD幼児におけるフィクショナルナラティブの特徴については、収集データをもとに分析し、論文にまとめ発表した(夏目・廣田,2017)(重森・廣田,2021)。就学後のASD児の発話特徴については、予備データをもとに、幼児期と就学後の個別発達過程について論文にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度末までにTD児のデータを収集する予定であったが、倫理審査書類の作成等に時間を要し、開始がやや遅れている。 ここまでの準備状況として、倫理審査の承認を得て、調査実施施設に対し、依頼中である。TD児のデータ収集に関し、小学校からは承諾を得た。また協力児募集のチラシ配布を依頼し、5月末をめどに回収する。調査実施日は今後調整する予定である。ASD児のデータ収集については、医療療育機関に実施依頼文を送付した。今後、承諾を得たのちに、対象児の選定や日程の調整等を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
小学校からは、承諾を得て協力児の募集を開始する。しかし、協力児の人数が10名に満たない可能性がある。そのため、期間を延長してデータ収集を継続する。また、実施困難な場合には依頼施設数を増やすことも検討する。 医療療育施設からは今後許諾を得る予定である。万が一実施が困難との回答の場合には、別施設での実施を検討する必要がある。
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