研究課題/領域番号 |
23K18962
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 湘北短期大学 |
研究代表者 |
加野 佑弥 湘北短期大学, その他部局等, 助教 (30980825)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | リフレクション / 政治参加意識 / サービス・ラーニング / シティズンシップ教育 / 省察 / 政治参加 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、サービス・ラーニングにおいて政治参加を促す省察(リフレクション)の方法を明らかにすることである。近年、シティズンシップ教育(市民性を育てる教育)の教育方法としてサービス・ラーニング(ボランティア学習)が位置付けられるようになってきたが、サービス・ラーニングで「いかに政治性を担保し、政治参加を促すか」が課題となっている。 本研究は、サービス・ラーニングの根幹を成す概念である省察に着目し、政治参加を促す省察の方法を検討する。その際、本研究では社会参加と政治参加を異なる教育課題として捉え、政治参加に焦点を絞るアプローチを採用する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はサービス・ラーニングにおいて政治参加を促す省察(リフレクション)の方法を明らかにすることにある。調査初年度の本年度は、政治参加意識を促す省察を実践するにあたっての課題を抽出することを目指した。 そのために研究代表者が継続的に調査を行っているA大学のサービス・ラーニングのフィールドにおいて、エスノグラフィーによるデータ収集を4回実施した。加えて、サービス・ラーニングに参加している学生への半構造化インタビュー調査を7回実施した。半構造化インタビュー調査では、複数年にわたってボランティアのフィールドに関与している学生の経時的変化を捉えることを試みた。 それらのデータを分析した結果、政治参加意識を促す省察の際に以下のような要点が示唆された。まず、学生にとっての「自身の役割」やボランティア実践現場における「場の意味」を問い直すことで、よりメタ的かつ深い視点からの多角的なリフレクションが生起することが示唆された。それに加え、「社会課題」や「社会構造」などを接合する更なる問いかけが必要であることが示唆された。他方、本研究では「エンパワメント」や「アドボカシー」といった初出の概念を持ち出すことで、学生の政治参加意識を促すことを試みたが、学生にとって馴染みのない概念であったため、それ以上のリフレクションに繋がらなかった。このことから初出の概念に言及する場合は、リフレクションより前の段階でそれについて丁寧に説明する必要があると示唆された。 なお、本年度の成果は、加野佑弥(2024)『大学における能動的シティズンシップ教育の導入:社会/政治参加へのセルフ・エフィカシー』法律文化社 の学術書籍としてまとめ刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究のデータ収集はほぼ終了しており、データ分析の初期段階で政治参加意識を促す省察を実践するにあたっての課題と要点を見出すことができた。加えて、そこから政治参加意識を促す省察の方法への示唆を得ることができた。これらのように、本年度において予定していた調査と分析がある程度進行しており、本研究課題の結実に向け概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では、本年度で明らかとなった政治参加意識を促す省察方法への示唆(課題と要点)を踏まえ、政治参加を促す省察の方法を検討したい。なお、その方法を検討する際には当初の予定通りID(インストラクショナル・デザイン)の観点に基づき議論を進めることを予定している。 このことに加え、本研究課題と類似したテーマを研究している研究者と共に、再帰性(社会的または間主観的なプロセスに対する内省を伴うもの)の観点からも政治参加意識を促す省察方法を検討したいと考えている。これは当初の研究計画にはなかった観点であるが、本研究課題を進める上で多分に有用であることからその観点も取り入れたいと考えている。
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