研究課題/領域番号 |
23K18965
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鶴見 周摩 北海道大学, 文学研究院, 助教 (00978182)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 注意 / 主観的知覚 / フィードバック / マスキング |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの知覚している世界は注意による情報選択によって成されており,知覚経験そのものが注意によって変調しうるが,その背景にある脳内メカニズムについては未だ明らかにされていない。本申請では,近年視知覚において注目を集めているフィードフォワード処理とフィードバック処理による再回帰処理の脳内モデルを取り入れることで,注意による知覚変調過程を詳細に検討し,主観的な知覚体験を形作る注意機構の理解を目指す。具体的には,フィードバック処理に関わる逆向マスキングと,空間的注意を測る空間的手がかり課題を用いて,注意による知覚変調効果が視覚処理のどのタイミングで生じるのかを心理物理実験から検討する。
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研究実績の概要 |
本申請では,近年視知覚において注目を集めているフィードフォワード処理とフィードバック処理による再回帰処理の脳内モデルを用いて,注意による知覚変調過程を検討する。具体的には,フィードバック処理に関わる逆向マスキングと,空間的注意を測る空間的手がかり課題を用いて,注意による知覚変調効果が視覚処理のどのタイミングで生じるのかを心理物理実験から調べる。今年度は,まず古典的な空間的手がかり課題に逆向マスキングの手法を組み込み,本研究の目的を検討する手法の確立を行った。本課題では,外発的あるいは内発的手がかりを標的の前あるいは後に呈示し,ガボール刺激を標的として呈示した。標的の直後にマスク刺激を呈示するマスキング条件と呈示しない非マスキング条件を用意した。手がかりの条件として,標的の呈示位置と空間的に一致する一致試行,標的とは反対の位置の不一致試行,手がかりが左右両方に呈示される中立試行を用いた。観察者は標的であるガボール刺激が右あるいは左のどちらに傾いていたかを回答し,傾きの弁別能力を計測した。マスキング・非マスキング時における手がかり間での弁別成績を比較した。観察者ごとにガボール刺激のコントラストを計測するため,一人の実験データを取得するのに時間がかかる。そのためまだ課題の確立に時間を要するが,現在までの結果からマスキングの効果は強く表れており,標的の正答率を低下させることに成功している。また,空間的手がかり効果も傾向としてみられており,概ね順調に進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り課題を作成し,実験データの取得も順調である。まだ課題確立のためにデータの追加が必要であるが少数である。後続の実験も準備中であり,課題確立後すぐに開始できる。
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今後の研究の推進方策 |
主観的な知覚変調が生じるかを調べる心理物理実験を実施する。実験プログラムは作成済みであり,現在進行中の課題を確立した後にすぐに始める。
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