研究課題/領域番号 |
23K18975
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
浅見 祐香 新潟大学, 人文社会科学系, 講師 (70982635)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 窃盗 / 窃盗症 / 認知行動療法 / ルール支配行動 / 渇望 |
研究開始時の研究の概要 |
頻回の窃盗行動における自動的な反応連鎖の維持要因として,言語による行動制御(「窃盗行動によって良い結果が得られる」)であるルール支配行動の影響を踏まえた治療的支援を実施して,窃盗再犯防止効果を検証することを目的とする。上記の目的は,窃盗症患者における渇望およびルール支配行動の測定,ルール支配行動の減弱手続きを加えた認知行動療法プログラムの効果検証によって検討する。
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研究実績の概要 |
物品や転売利益ではなく窃盗行動への従事そのものが主な目的の精神疾患である窃盗症は,行動嗜癖の1つであるという理解が優勢であり,窃盗行動に対する強い衝動である渇望の影響性があることが示唆されている(Asaoka et al., 2023)。この点に関して,窃盗行動の頻回の繰り返しによって,渇望に加えて,「窃盗行動をすることによって良い結果が得られる」という言語による行動制御であるルール支配行動も影響しうることが指摘されている(浅見他,2021)。そのため,窃盗行動の自動的な反応連鎖の維持要因として,渇望に加えてルール支配行動の影響性にも着目することによって,窃盗の再犯防止における効果的な治療的支援の提供につながる知見になりうると考えられる。そこで本研究では,窃盗行動の自動的な反応連鎖の維持要因として,ルール支配行動の影響を踏まえた効果的な治療的支援を実施して,窃盗の再犯防止効果を検証することを目的とした。 具体的には,窃盗行動のルール支配行動の測定指標の信頼性および妥当性の検討(研究1)を実施した。また,ルール支配行動の減弱方略を加えた認知行動療法プログラムの効果検証(研究2)についてもデータ収集を開始した。 その結果,窃盗行動のルール支配行動の測定指標であるPositive Implicit Relational Assessment Procedureは,十分な高さの再検査信頼性および基準関連妥当性を有することが示された。この成果は,本課題の目的であるルール支配行動の影響を踏まえた効果的な治療的支援の効果の検証における基礎的知見になると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究から得られた成果は,当初の計画の基礎となる部分であり,次年度につながる研究を遂行したと判断できるため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,今年度の研究から得られた知見を踏まえて,窃盗行動のルール支配行動減弱方略を加えた集団認知行動療法の効果を検討する研究を引き続き行う。
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