研究課題/領域番号 |
23K18980
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
黒田 尚輝 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 文部科研研究員 (20985585)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 身体運動表象 / 加齢 / 身体運動知覚 / 実験心理学 / バーチャルリアリティ |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の転倒予防は喫緊の課題である。高齢者の転倒の要因は,身体機能や認知機能の低下に加えて,異種感覚統合の歪みも挙げられる。従来の研究では高齢者の身体運動表象が若齢者のものと異なることが示されてきたが,その多くは静止時に限られている。そこで本研究では,バーチャルリアリティを用いて身体運動情報(視覚情報や能動運動を駆動する脳からの運動命令や固有感覚情報)を操作することで自分自身と環境との関係が動的に変化する場面を作り出し,身体知覚および身体近傍の空間知覚における高齢者の特徴を明らかにする。高齢者の転倒リスクとの関連を明らかにすることで,転倒予防に有効なトレーニング方法の考案へと展開する。
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研究実績の概要 |
高齢者の身体運動表象が若齢者のものと異なることを示した従来の研究では,そのほとんどの研究が静止観察時での知覚の報告に止まる。そこで本研究は,バーチャルリアリティを用いて身体運動をシミュレートし,身体運動情報(視覚手がかりや,能動運動を駆動する脳からの運動命令および固有感覚手がかり)が高齢者の身体運動表象に与える影響を明らかにすること,高齢者の転倒リスクとの関連を示すことで転倒予防に有効な介入プログラムの考案へと展開することを目的としている。 本年度は,身体運動情報のうち視覚手がかりの影響について検討を行った。若齢者では,視覚手がかりがより豊富な状況では身体と外部環境の強い相互作用が見られる範囲(身体近傍空間)が拡大した一方で,高齢者ではその広がりに若齢者との差異が見られることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は,身体運動情報のうち視覚手がかりの影響を明らかにすることを目的としており,またその成果報告ができたことから,「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的を達成するためには,計画していた項目のうち,身体運動情報に含まれる能動運動を駆動する脳からの運動命令および固有感覚情報の影響を明らかにする必要がある。したがって,それらの影響を明らかにする実験を進め,成果を公表する予定である。
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