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新参者との新たな規範形成が生じる柔らかなコミュニティの実験社会心理学的探究

研究課題

研究課題/領域番号 23K18991
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0110:心理学およびその関連分野
研究機関同志社大学

研究代表者

山縣 芽生  同志社大学, 文化情報学部, 助教 (70978981)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード規範 / 相互作用 / 同調 / 社会心理学 / 統合
研究開始時の研究の概要

都市部から地方への移住や新しい会社への入社などにおいて,新参者は既存のコミュニティ内での規範へ一方的に適応せざるを得ないが,これが既存コミュニティの発展を妨げる可能性がある。そのため,新しい規範が双方向的に生まれるような柔らかなコミュニティづくりが必要である。しかし,実際のコミュニティには様々な要因が交絡している複雑性がある。そこで,本研究では,単純化された実験課題を新たに提案し,新参者と既存コミュニティとの間で新しい規範が双方向的に生まれる要因と心理過程の解明を行う。

研究実績の概要

二者間の相互作用から社会的規範が形成されるプロセスを明らかにするため,これまで多くの知覚課題を用いた実験が行われてきた。主に,個体間の判断基準の類似化と個体内でのその維持をもって,二者間で規範が形成されたと結論づけられている。しかし,実験的に短時間で得られた判断基準の類似性が実際に社会的規範として機能するかは明らかとなっていない。本年度の研究では,Sherif(1936)の実験を基に単純化された実験課題を開発し,次の2点を検証した:(1)二者間で相互作用を通じて判断基準が類似するのかどうか,(2)判断基準が類似した結果,判断基準が類似していない新参者に対して排斥的な態度が生じるのかどうか。この検討を通じ,規範(判断基準)の相違があることで既存コミュニティと新参者との間に障壁が生まれるのかどうかを実証的に明らかにした。実験では,参加者がPC画面にランダムに配置されたドットの数を推定する知覚課題を用いた。参加者は個別に作業を行い,一部のフェーズでは1名または2名の他の参加者(実際にはプログラムされたbot)と一緒に作業した。知覚課題の完了後,課題相手に対する印象評定を行った。実験の結果,先に遭遇した他者との相互作用によって参加者の判断基準は変化したが,新参者の加入によってその傾向は容易に減弱することが示された。また,判断基準の類似性が,課題相手に対するポジティブな印象評定と部分的に関連していた。つまり,相互作用によって生じた判断基準の類似性は新参者への排斥的な態度を生むとはいえず,判断の類似性が他者に対する態度などに影響している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験課題の開発,実験の実施を予定通り遂行し,成果を学術大会で報告することができた。また,成果をまとめた論文を国際誌に投稿する準備中である。

今後の研究の推進方策

今年度の実験では,先行研究を踏襲して単純化された実験課題を作成した。次年度の実験では,今年度の成果の普遍性や文化的要素を加味した新たな実験を予定している。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] “新参者”によって多数派の規範が書き換わるとき2023

    • 著者名/発表者名
      山縣芽生・高橋英之
    • 学会等名
      日本認知科学会第40回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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