研究課題/領域番号 |
23K19015
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
清水 康希 東京理科大学, 理学部第一部応用数学科, 助教 (00981325)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 主成分分析 / ラプラス近似 / スパイク固有値モデル / 超幾何関数 / Stiefel 多様体 / ランダム行列 / ウィシャート分布 / 特異ランダム行列 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,データの変数の数がサンプルサイズよりも大きい状況下で必要な特異ランダム行列の固有値の近似分布論の構築を目的としている.ラプラス近似と呼ばれる近似法を用いて,多変量統計解析で重要となる特異ウィシャート行列の固有値の精密分布を正規分布やカイ二乗分布で近似することを目指す.また,実多変量解析を複素数の場合の理論に拡張し,統計的形状解析や信号処理の応用問題に取り組む.
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研究実績の概要 |
変数の数がサンプルサイズを上回る状況において,主成分分析の推測の議論で重要となるウィシャート行列の固有値の近似分布の導出を行なった.特異なウィシャート行列の固有値の同時確率密度関数には,行列変量を引数にもつ超幾何関数が含まれており,確率密度関数の数値計算を行うことは困難であることが知られている. そこで,本研究では,固有値の同時密度関数に現れる超幾何関数にラプラス近似を適用し,同時密度の近似を与えた.さらに,母共分散行列がスパイク固有値を持つ状況において,固有値分布のカイ二乗近似が得られることを示した.シミュレーション実験の結果,特に最大固有値分布に対しての近似が優れていることが分かった.これらの結果を2標本問題における固有値の同等性検定に応用した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要で述べた通り,変数の数がサンプルサイズを上回る状況で固有値の近似分布を導出することができた.得られた成果を論文として発表することができたため,本研究課題の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
変数の数がサンプルサイズを上回る状況で,ウィシャート行列に関する固有値分布の導出を引き続き行う. 特に,2024年度は,正規性の仮定を緩めた場合で研究を進めていく予定である.関連研究の動向を把握するために学会に積極的に参加し,意見交換や情報共有を行いながら研究を発展させていく.
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