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深部地下微生物の遺伝子及び代謝活性に及ぼす放射線影響研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K19041
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

廣瀬 エリ  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核燃料・バックエンド研究開発部門 核燃料サイクル工学研究所 環境技術開発センター, 博士研究員 (50982675)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード地下水 / 幌延 / 深地層 / 高レベル放射性廃棄物 / 地層処分
研究開始時の研究の概要

極限的条件下にある地下深部にも、地上と同レベル量の微生物が存在していることが知られいる。高レベル放射性廃棄物の地層処分システム周辺という特殊環境においては微生物の放射線影響を無視できないにも関わらず、深部地下微生物の放射線による変化はこれまで明らかにされていない。本研究は、対象微生物の遺伝子および代謝活性から放射線影響を明らかにすることで、何万年もの極めて長期にわたって安全性が求められる地層処分システム構築に放射線生物学的知見をもたらすものである。

研究実績の概要

原子力発電にともなって発生する高レベル放射性廃棄物の処分方法として、長期間安定して安全上のリスクを小さくできるという理由で、地層処分が最も有力な選択肢となっている。そのような中、極貧栄養環境にある地下深部でも微生物は地上と同レベル量存在することがわかってきた。これまでの地層処分システムにおける微生物による影響評価は、人工バリア腐食や放射性核種移行が評価対象となっており、放射線影響の視点での研究は実施されていない。しかし、高レベル放射性廃棄物からの放射線により、微生物がもつ重元素の取り込み機能が高まる可能性(遺伝子への放射線影響)、あるいは活性化によって移動挙動が活発になる可能性(代謝活性への放射線影響)がある。これらの現象が起こりうることは申請者が行ったヒト細胞を対象にした研究から明らかであり、微生物が放射線影響を受けて変化した場合、地上と同レベル量存在する深部地下微生物の数に比例して影響が大きくなることが予想されることから、深部地下微生物の放射線影響は無視できない。そこで本研究は、遺伝子及び代謝活性の変化という2つの観点から深部地下に生息する微生物の放射線影響を明らかにすることを目的としている。
まず、令和5年度は、深部地下微生物の放射線影響における基礎的な理解を得た。陸上由来の微生物の汚染や、嫌気的環境維持のため大気(酸素)の混入を最小限に抑える技術を持つ幌延深地層研究センターの地下施設(最大深度 約350m)より採取した微生物を5、10、15、20、50 kGyの複数条件のγ放射線に晒し、蛍光色素を用いて顕微鏡による生菌数/全菌数測定を行った。さらに、同微生物を対象にATPを定量し、微生物のエネルギー代謝活性を測定した。その結果、微生物の生死の閾値となる放射線量、微生物がエネルギー代謝活性を失う線量を特定することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度は当初計画どおりに、遺伝子及び代謝活性に関する二本柱の研究において、基礎的な理解を得るためのデータが取得できたこと、および令和6年度に予定している深部地下微生物が放射線に晒された際のゲノム解析に着手するための準備ができたことから、おおむね順調に進展している、と判断できる。

今後の研究の推進方策

令和6年度はゲノム解析に着手する。具体的には、放射線で生き残った微生物に対し、16S rRNA遺伝子解析を行い、微生物の群集組成を把握する。さらに、メタゲノム解析により、放射線耐性に関するタンパク質を調べる。これらにより、放射線に晒された微生物群集の多様性変化や代謝機能変化を理解することを目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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