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炭化木の特性を用いた火砕流堆積物の定置温度と冷却時間の推定

研究課題

研究課題/領域番号 23K19074
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
研究機関地方独立行政法人北海道立総合研究機構

研究代表者

中野 敬太  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術環境研究本部 エネルギー・環境・地質研究所, 研究職員 (80971316)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード炭化木 / 火砕流堆積物 / 定置温度 / 有機物熟成度 / 地質温度計 / 炭火木
研究開始時の研究の概要

ひとたび高温の大規模火砕流が起きると周辺地域に甚大な被害が生じる.噴火リスクを評価する上で,現地に残る火砕流堆積物から定置温度を知ることは重要な情報となる.
しかし,定置温度を知る方法として,岩石の残留磁化があるが,マグネタイトのキュリー点で580℃と高温かつ離散的な指標で,低温から高温域までを連続的に推定できる定置温度評価法が必要である.また,火砕流は冷却後,降雨により土石流を起こすことが知られている.土石流の発生予測のためにも冷却時間を推定することは重要な情報である.そこで,本研究では火砕流堆積物中に含まれる炭化木に着目し,その特性から火砕流の定置温度評価法と冷却時間推定法を確立する.

研究実績の概要

本研究は、火砕流堆積物内に含まれる炭化木に着目し、樹木などの有機物が、被熱温度の高さに応じて反射率が増加し、H/C原子比が減少する原理を用いて、加熱温度・時間を変化させた木材の加熱実験等から火砕流の定置温度評価法の確立に向け研究を進めている。また、熱した木材は表面だけが先に炭化し、中心部は表面に比べ炭化が進まないという推定の元、同一の加熱試料から熱拡散方程式を利用した有限差分法を用いた冷却時間推定法の確立に向け並行して研究を進めている。令和5年度は、加熱実験を行う木材の成形(5㎝×5㎝×5㎝)、熱物性の測定、加熱温度・加熱時間を変化させた加熱実験、加熱試料の顕微鏡観察を行った。熱物性の測定は、触診型熱定数測定器を用いて、北海道産シラカンバの熱伝導率の測定と比熱の推定を行った。加熱実験では、窒素雰囲気のマッフル炉内の温度を200℃、300℃、400℃に設定し、加熱時間を1時間ごとに変化させて実験を行った。加熱試料の顕微鏡観察の結果、温度が200℃、300℃で1~2時間程度の加熱実験では、完全に炭化していないことが分かった。一方で、温度が400℃で1時間程度の加熱実験では、全体が炭化していた。また、加熱後の試料では、加熱前の試料と比べて体積が小さくなっており、温度条件に応じて加熱実験前後の体積比は、大きくなる傾向にあった。今後も、加熱温度・時間の条件を変化させた加熱実験を行い、試料断面の反射率やH/C原子比を測定し、定置温度評価法と冷却時間推定法の確立を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

木材の加熱実験に用いる物品の調達が、想定よりも少々遅れたものの、一か月遅れ程度で木材の加熱実験を開始することができ、かつ、加熱実験や熱物性測定がスムーズに進んでいることから、研究全体の進捗は、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後は、7月中旬までに加熱温度、時間、材種を変え120回程度の加熱実験・熱物性測定を行う予定である。また、同時に加熱試料の化学的熱熟成度を把握するため、温度に敏感なH/C原子比の測定を行う予定である。その後、7月下旬より、加熱試料断面の反射率の測定を行い、反射率やH/C原子比から求められる定置温度換算式及び熱拡散方程式を利用した有限差分法を用いて材の加熱から常温に至るまでの時間を算出する。算出した温度と高温から常温に至るまでの推定時間が妥当であるか、加熱温度・時間や実際の火砕流堆積物に含まれる炭化木の断面反射率分布およびH/C原子比分布から比較を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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