研究課題/領域番号 |
23K19092
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田中 裕香 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 医員 (50982154)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 顎運動路計測 / 咬合機能低下モデル / RGB-Dカメラ / ディープラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
顎口腔機能の検査において顎運動を正しく評価することは顎関節疾患、不正咬合など顎口腔系の異常を検出するのに非常に有効であり、適切な診断・治療の一助になると言える。検査ツールの一つとして、顎運動路測定装置が広く用いられているが、既存の装置は顎運動を頭蓋に対する下顎骨の剛体運動と捉えるために、頭部と下顎歯列に装置を装着して測定する非生理的環境であるだけでなく、取り付けの煩雑さや測定誤差によるデータ再現性の低さが問題となっている。本研究の目的は、患者の顎運動を皮膚上からの動画映像のみから、AIを活用した画期的な新手法を確立し、その実用化により社会へ還元する ことである。
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研究実績の概要 |
顎口腔機能の検査において顎運動を正しく評価することは顎口腔系の異常を検出するのに有効であり、適切な診断・治療の一助になると言える。既存の顎運動測定検査は、頭部と下顎歯列に装置を装着した非生理的環境下で測定するという欠点がある。新しい評価法への試みが行われてはいるものの、測定のための機器を装着せずに顎運動を記録した先行研究は未だ存在しない。そこで本研究は、AIを活用して皮膚上からの動画映像のみから、従来より少ない機材で短時間でより正確に顎運動を記録する新手法を確立することを目的とし研究計画を立案した。 これまで20-30歳代の不正咬合のない標準的な体系の男女を対象に、目や鼻などの顔面上の特徴点を基準として顎先の動きを追跡する本システムによる下顎運動路計測と、頭部に装着したセンサーで下顎前歯に取り付けたマグネットの動きを計測する既存の顎運動計測装置(Myotronics社製 Mandibular Movement Analyzer Model K-7)で同時にデータを採得、比較することで本システムの誤差の評価を行ったところ、本システムによる計測は従来の装置と比較して十分な精度であるという結果を得た。 当初の計画では本システムの精度検証後、当院患者に対し矯正治療の介入前後のの顎運動路評価を行うことで咬合状態の変化が咀嚼運動に与える影響の評価を行う予定であったが、実際の患者では咬合状態の変化を得るのに時間を要するため、現在、咬合機能低下モデルを想定したマウスピースを作成、咬合機能の変化が咀嚼時の顎運動および頭部運動計測に与える影響を検証している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに本システムの精度検証を行い、十分な精度であることを明らかにすることが出来た。 当初の計画とはやや異なるものの、咬合状態の変化が咀嚼運動に与える影響についても検証中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の課題としては現在検証中である咬合状態の変化が下顎運動路および頭部運動に与える影響の評価を行う。さらに被験者数を増やすことでより高い精度での計測を実現したい。 2024年度はこれらの報告をまとめた、学会発表ならびに論文作成を行う予定である。
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