研究課題/領域番号 |
23K19129
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
松永 信之介 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究センター, NIMSポスドク研究員 (20984818)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超伝導コイル / 相互誘導現象 / 超伝導磁石 / 電気回路 / 磁気回路 |
研究開始時の研究の概要 |
下記の実験により超伝導コイルの高速かつ高効率や励消磁を可能にする回路構成(吸磁回路)を検証する。 ①励消磁動作実験:小型の超伝導コイル系を製作し励消磁動作を試験する。 ②内挿物との相互作用の調査:磁気内挿物(例えば磁気冷凍では磁気作業物質)と超伝導コイル系との相互作用を実験的に調査する。 上記の実験と同時に理論モデルの構築と数値シミュレーションを行う。
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研究実績の概要 |
このプロジェクトでは超伝導コイルの高速・高効率な消励磁を可能にする回路構成(吸磁回路 ※造語である)について種々の検証を実施している。吸磁回路では磁気結合した複数の超伝導コイルのそれぞれの運転電流を制御する。例えば、減磁させたい超伝導コイルの電流を減少させると同時に他の超伝導コイルの電流を増加させることで、大きな自己誘導電圧のある程度を相互誘導電圧で相殺することができる。この吸磁回路について、①励消磁動作実験、②内挿物との相互作用の調査の2面から研究を実施している。①は吸磁回路により素早い消励磁が可能であることを実証する実験を完了すること、②は内挿物によりさらに高効率になる知見を発見することや実際の機器における構造物の作用について明らかにすること、が目標である。 今年度は、①励消磁動作実験を実施するために、実験装置の設計・部材調達、および実験設備利用に向けた調整を進めた。実験は現所属研究機関が所有する磁気冷凍システム研究用クライオスタットを用いて令和6年7月以降に実施する予定である。クライオスタット内機器を構成するための部材は調達が完了し、現在組み立てを行っている。超伝導コイルは、ダミーSUSテープを用いて巻線の予備試験を実施中である。高温超伝導線材の調達は完了しており、巻線の条件出しが完了し次第、超伝導コイルの製作を予定している。 他、本プロジェクトから派生した知見に関する特許を出願した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験準備は、長納期品である高温超伝導線材の調達が完了したことにより、ほぼ計画どおりに進行している。ただし、実験を行うクライオスタット内環境の制約により、超伝導コイルの設計・条件出しが遅れており、製作を完了することができなかった。一方、それ以外の準備状況は良好であり、令和6年度前半内において実験が完了できる見込みである。 数値シミュレーションに関しては有限要素解析ソフトウェアに適用可能なモデルを検討している。今回の検証に適した有限要素解析ソフトウェアの選定は完了し、導入も済んでいるため、既に数値シミュレーションの実行に着手している。ただし、計算結果の精査が完了していない。
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今後の研究の推進方策 |
クライオスタット内機器の構成を完了させ、吸磁回路の検証実験を実施・完了する。そのために超伝導コイルの製作完了を目指す。可能であれば、液体窒素温度における通電試験を実施し、超伝導コイルの基礎特性を取得できると好ましい。吸磁回路の検証実験の後、内挿物との相互作用を調査するための実験を実施する。数値シミュレーションについては計算体系の確立を目指す。 研究代表者は令和6年6月付で所属が変わることが決まっている。新所属の所在地に対して実験実施地(現所属)が離れてしまう見込みである。これにより令和6年度はプロジェクトが遅延すると予想している。場合によっては事業期間延長を申請する。
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