研究課題/領域番号 |
23K19137
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森本 時生 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (10985146)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 液状化 / 砂 / 細粒分 / 個別要素法 / 再液状化 / 個別要素法(DEM) |
研究開始時の研究の概要 |
2011年東北地方太平洋沖地震以降、同じ地盤が余震・本震で二度液状化する再液状化現象のメカニズム解明が待たれている。再液状化現象を対象とした室内実験や解析が行われてきているが、それらは粒度分布に乏しい砂を対象としたものがほとんどで、実地盤により広く存在する細粒分を含んだ砂を対象とした研究が必要である。本研究では細粒分を含んだ砂を用いた中空ねじり試験を行い、さらにそれを再現した個別要素法解析を行うことで細粒分含有率・液状化履歴の及ぼす液状化強度の変化、そして解析結果の詳細な検討を通してそのメカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
初年度は個別要素法(DEM)を用いた細粒分を含む砂の液状化解析を行い、細粒分含有率と液状化強度の関係について詳細な検討を行った。細粒分含有率が少量の場合、細粒分が砂の内部で力を伝達しない状態になっていることを示し、同密度の細粒分を含まない砂と比較して液状化強度が低いことを説明することができた。またさらに細粒分含有率を増やした場合、細粒分が力を伝達し始め、液状化強度が増加することを示した。細粒分を除いて間隙比を計算する骨格間隙比が従来提案されていたのに対し、本研究では実際に応力を伝達している粒子から間隙比を計算した力学的間隙比を用いた整理を行い、液状化強度との相関が概ね良く得られた。本研究成果により国内学会発表と国際学会発表を行うことを予定している。2年目にあたる今年度は初年度に得られた液状化状態の個別要素法サンプルを圧密してもう一度液状化させる再液状化させる解析を実施し、力学的間隙比に基づく整理を行い、細粒分を含む砂の再液状化強度を予測することを目指す。 本研究では中空ねじり試験装置を用いた実験を並行して行っている。細粒分を含む場合透水性が下がるため飽和が難しいという懸念があったが、二重負圧法を用いることにより十分な飽和度を得ることができた。その一方で中空ねじり試験装置のせん断応力が上昇しない問題が発生し、ロードセルあるいはペデスタルの故障が原因と考え原因を究明している。本年度は試験装置の修理に投資を行い、個別要素法と比較するための実験データを得られるようにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
個別要素法による解析は順調に進展しており、細粒分含有率と液状化強度の関連について有用な知見を得ることができている。その一方、中空ねじり試験装置を用いた実験についてはせん断応力が上昇しない不具合があり、細粒分含有率と液状化強度及び再液状化強度に関する実験データを得ることが未だ得ることができていない。ロードセルあるいはペデスタルの故障と考えられ、該当箇所を修理すれば実験データを得ることが可能となると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の個別要素法解析では初年度に得られた液状化状態の様々な細粒分含有率の解析サンプルを圧密し、再度繰返し載荷を与えて液状化させる解析を行い、液状化履歴による液状化強度の変化、及び細粒分含有率との相関について検討を行う予定である。再液状化解析手法についてはMorimoto et al. (2021)においてすでに実施実績があるためスムーズに解析を行うことが可能と考えられ、計算リソースも十分に確保している。 本年度の中空ねじり試験装置を用いた実験では前述のせん断応力が上昇しない不具合の原因を究明し、該当部分の修理を行う。細粒分含有率を様々に変えた供試体を液状化させ、それを圧密し再び液状化させる再液状化実験を行い、細粒分含有率と再液状化強度の関係を明らかにするとともに個別要素法解析結果と比較を行う。中空ねじり試験に関して追加で実験補助の人件費を支出し、本年度中に実験結果を得ることを目指す。
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