研究課題/領域番号 |
23K19149
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 公立諏訪東京理科大学 |
研究代表者 |
菊地 輝行 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 准教授 (50706299)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 畳み込みニューラルネット / Transformer / 自然言語処理 / 中小河川モニタリング / 常時微動 / 川のニオイ / AI / 地すべり / 地理情報システム / 災害予測 / リアルタイム |
研究開始時の研究の概要 |
地すべり・崩壊発生の予測は,地形・地質の内的要因と気象条件の外的要因を理解しなければなりません.近年災害の多発により,災害発生箇所の検証は進んでいますが,今後に生かせるような,多角的な視点の分析は進んでいません. 本研究の最終的な目的は,地すべり・崩壊などの地表面変動箇所の可能性のある箇所をAIを用いた多角的な視点により動的に検出できることです.そして計測機器などの情報をリアルタイムに共有できるシステムを作成することで.よりリアルな情報提供を行うことを目的とします.
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研究実績の概要 |
本研究の目標は「地すべり・崩壊などの地表面変動箇所の可能性のある箇所が自動的に検出・共有すること」である. これに対する課題1として,「多様で複数の地理情報分析の機械学習による自動化」を挙げた.背景に述べたような高精度で高密度,しかしスケールや評価方法の異なるデータをマルチモーダルで学習するモデルを作成する必要がある.既往研究では内的要因である8種類の影響要素(傾斜量,固有値比,曲率,地上開度,地下開度,ウェーブレット,地形湿潤指数,標高)を用いて,機械学習で画像処理でよく使用される畳み込みニューラルネット(CNN)を用いて解析している.主に1年目は,既存研究で採用された畳み込みニューラルネットではなく,言語処理で利用できるVisual Transformerを用いることで処理を行った.対象は既存文献と同じ範囲を適用した.ただしVisual Transformerでの解析は事例が少ないため初期段階の検討として,傾斜量のみを影響要素として解析した結果,ほぼCNNと同等の解析結果が得ることができた.結果は的中率が類似しているだけではなく,有意な崩壊予測が可能となっていることが確認できた. 次に課題1の細分化された課題として,外的要因すなわちInSARによる地表面変動量やタンクモデルによる地下水収支,の統合を行うとした.これは新規災害発生を学ぶ上で災害の引き金となる重要な項目である.今年度は過去の経歴を調べ地域の意見も聞き,地元に会った計測設置と計画(複数の水位計の計測,河川を代表できる雨量計の設置計画,川のニオイに関する研究計画,河川の常時微動計測計画)を立案することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
課題1「多様で複数の地理情報分析の機械学習による自動化」を達成するためには,内的要因である地形地質に関する情報処理が必要となり,本案件については順調に検討が進んでいる. 一方,外的要因に関する課題の解決については,現段階で水位計による設置と計測データの解析が行われている.この結果土石流発生の前兆現象として,水位低下が認められることが把握できた.一方でこれ以外の計測機器の設置に関しては文献収集と現地聞き取り等を行い,計画立案を大なっている段階であり,計測設置は今後行う予定となっている. このように課題1の解決が図られておらず,現時点で課題2の着手が遅れている状態である.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策のうち,課題1の内的要因については解析を進める.特にマルチモーダルを用いたVisual Transformer解析では的中率の向上が期待できる.このほか,崩壊した地形的特徴がどのような数値的特性を有しているかについても確認を進める. 課題1の外的要因については,今後も計測計画の立案と準備を行い,順次設置,初期値(通常時)計測を開始することを予定している. 課題2は,課題1の成果を用いて広域の空間情報として取り扱うことができるように整備を行う.具体的なデータを用いてどのような問題があるのかを把握することを目的として研究を進める.
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