研究課題/領域番号 |
23K19171
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
大村 浩之 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 特別研究員 (30977658)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 非線形有限要素法 / 梁要素 / 接触解析 / 粒子補間 / 非構造部材 / 地震応答解析 / 有限要素法 / 接触計算 / データ同化 |
研究開始時の研究の概要 |
非構造部材の地震応答シミュレーションに関する既存研究は、単一の非構造部材・室内空間の検討に留まっており、躯体と非構造部材の接触現象を正しく再現できない。そこで本研究では、躯体と非構造部材の挙動を統合的に再現する建物まるごと地震応答シミュレーション手法を構築する。そのために、力学的信頼性を担保しつつ有限要素モデルの自由度を縮約した代替モデルの構築手法、ならびにメッシュに依存せず接触現象を精緻・高効率に解く手法をそれぞれ開発する。建物まるごとシミュレーションの実現により、地震被害リスクの包括的予測、地震時における潜在的危険性の発見的予測が可能となり、建物の地震対応力向上への貢献が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究における2つの目的である ①詳細FEMモデルの自由度を縮約した代替モデル構築方法の開発 と ②メッシュに依存しないFEM接触計算手法の開発 のうち,令和5年度は②に取り組んだ.具体的には,構造要素を含む任意の有限要素で離散化された連続体の表面形状を粒子で補間し,粒子同士に課される接触拘束条件から有限要素ベースの接触剛性を導出する計算スキームを開発した.また,接触の判定も粒子同士で計算されるが,粒子と要素の幾何学的関係に基づく階層的判定アルゴリズムを導入することにより,計算コストの増加も最低限に抑えられる.この提案手法により,要素の種類やメッシュの解像度に依存しない統一的な接触計算が実現される.本手法の理論構築とプログラム実装,ならびに基礎的な妥当性・精度検証は完了しており,その成果をまとめた論文が計算工学論文集に採択されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を構成する2つのコア技術のうち,1つの開発が完了しており,2カ年の計画として順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,主に詳細FEMモデルの自由度を縮約した代替モデル構築方法の開発に取り組む予定である.具体的には,梁要素を用いた解析を詳細FEMの結果とデータ同化させることで,物体を構成する梁要素のパラメータを妥当に決定する方法論を構築する. また,提案手法の有用性を示すために,建物内の家具転倒被害再現実験の数値シミュレーションも実施する予定である.
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