研究課題/領域番号 |
23K19172
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩井 愛 北海道大学, 工学研究院, 助教 (50978541)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ライデンフロスト効果 / アノード酸化 / アルミニウム / ポーラスアルミナ / 酸化アルミニウム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、電気化学プロセスを用いた表面ナノ構造の最適設計により、ライデンフロスト効果を完全に抑制した超高効率冷却基板の開発に挑戦します。すなわち、高温に熱した基板表面に液滴を滴下した際に、液滴を基板に留め、すぐさま濡れ広がらせて蒸発させられる表面の構築に挑みます。アルミニウムを電気化学的に酸化(アノード酸化)することにより、基板表面に様々なナノ構造をもつ酸化皮膜の形成を試みます。ハイスピードカメラやサーモグラフィーカメラを用いた評価を通して、本研究において開発したナノ構造制御基板が、超高効率冷却基板として応用できることの実証を目指します。
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研究実績の概要 |
本年度の研究においては、アルミニウムを様々な条件下で陽極酸化(アノード酸化)することにより、ライデンフロスト効果を抑制できる表面構造の構築を目的とした。高純度アルミニウムを塩基性四ホウ酸ナトリウム水溶液に浸漬して種々の電圧の定電圧アノード酸化を行うと、アルミニウム表面にポーラス型酸化皮膜(ポーラスアルミナ)が生成した。印加電圧が大きくなるほど、ポーラスアルミナの細孔間距離および細孔径は増大した。これらの試料表面の純水に対する静的接触角を測定すると、高電圧アノード酸化試料ほど小さな接触角をもつ傾向にあった。 ポーラスアルミナ形成試料を200℃に熱し、その試料表面に微小な水滴を滴下すると、水滴は試料表面に濡れ広がるとともに、一部は砕けながら速やかに蒸発した。この際、ポーラスアルミナの細孔間距離が大きく、細孔径が大きい表面ほど、水滴の蒸発に要する時間は短縮された。一方、試料温度を250℃以上に増大して水滴を滴下すると、ライデンフロスト効果が発現するため、水滴の蒸発には長時間を要した。試料を加熱し続けながら連続的に水滴を滴下したところ、液滴滴下数の増加とともに試料表面温度が大きく低下することを確認した。 種々のアルミニウム合金を用いてアノード酸化を行うことによって試料表面にポーラスアルミナを形成したのち、同様の液滴滴下実験を行ったところ、一部の合金においてはライデンフロスト効果を大きく抑制できた。 これらの研究成果により、アルミニウムおよびアルミニウム合金表面にナノ構造を適切に制御したポーラスアルミナを形成することにより、ライデンフロスト効果を簡単に抑制できる知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ライデンフロスト効果を抑制できるポーラスアルミナの形成条件が明らかになりつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究により、どのような条件においてアルミニウムのアノード酸化行い、どのような構造をもつポーラスアルミナを形成すればライデンフロスト効果を抑制できるのかを見出しつつある。今後は、本年度の研究成果を基にして、液滴の蒸発挙動に及ぼすポーラスアルミナの構造の影響を、ハイスピードカメラやサーモグラフィーカメラを用いてより定量的に評価したい。
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