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金太郎アメ式試料作製法を用いた金属の変形に及ぼす結晶界面の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K19178
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
研究機関東京工業大学

研究代表者

永島 涼太  東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (10977515)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード粒界 / 異相界面 / 局所変形 / すべり伝播 / Hall-Petchの関係 / 粒界性格 / デジタル画像相関法 / 結晶粒微細化強化
研究開始時の研究の概要

塑性変形に及ぼす粒界(同相界面)と異相界面の役割の違いの解明を目指して,粒界近傍での局所変形挙動を調査する.FCC相とBCC相が平衡するシンプルなNi-Cr二元系モデル合金を用いて,FCC単相材とFCC母相の粒界にBCC相を析出させた2相材を準備する.粒界性格のうち2結晶間の方位差に着目するために,結晶粒を一方向成長させ,それに垂直に試験片を切り出す金太郎アメ式試料作製法を新たに提案する.結晶方位分布が同じ複数の試験片を用いて室温から高温までの引張変形挙動とその組織解析を行うことにより,変形に及ぼす粒界と異相界面の役割を系統的に明らかにする.

研究実績の概要

本研究では,塑性変形に及ぼす粒界(同相界面)と異相界面の違いの解明を目指し,シンプルな固溶体相であるfcc相およびbcc相の二相組織制御と両界面近傍での局所変形挙動の解明を目的としている.
当該年度では,γ-Ni(fcc)母相とα-Cr(bcc)相が広い温度範囲で熱力学的に平衡するNi-Cr二元系に着目し,α相の析出挙動を明らかにした.その結果,Crの過飽和度が4.5at.%以下では粒界および粒内にα相が塊状に形成(連続析出)し,4.5at.%以上では粒内に層状に形成(不連続析出)すること,粒界に連続析出するα相は,片方のγ相とKurdjumov-Sachs(K-S)またはNishiyama-Wasserman(N-W),あるいは両方のγ相とK-Sの結晶方位関係を有することを明らかにした.
さらに,上記の結果を用いて成分設計したNi-Cr合金を一方向凝固させ,結晶粒成長方向と垂直に試験片を切り出すことによって,金太郎アメのように結晶粒および粒界分布が同一の複数試験片を作製可能な技術を確立した.凝固時の冷却速度をコントロールすることによって,結晶粒径を1~10 mmに変化させることが可能である.
粒径10 mm以上の粗大粒組織を有するNi-Cr合金のγ単相材を用いて室温での引張試験を行い,デジタル画像相関法による局所ひずみ解析によって,粒界近傍での変形挙動を調査した.その結果,粒内と比較して粒界の塑性変形量が約半分となること,その程度は隣接する二つの結晶粒において活動するすべり系の幾何学的な整合性によって整理可能であることを明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画・方法に沿って研究が進み,成果が出ているため.

今後の研究の推進方策

本年度作製した合金の時効熱処理を行い,γ+α二相材を用いて同様の力学試験を実施する.そして,申請課題の目的である塑性変形に及ぼす粒界と異相界面の違いについて検討を行う.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Ni-Cr二元系モデル合金におけるα-Cr相の析出挙動2024

    • 著者名/発表者名
      永島涼太,中田伸生
    • 学会等名
      一般社団法人日本鉄鋼協会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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