研究課題/領域番号 |
23K19194
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小沢 耀弘 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (90984419)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | トポロジカル物質 / スピントロニクス / ワイル半金属 / スピントルク / マグノン |
研究開始時の研究の概要 |
磁性体中の磁化ダイナミクスの制御は、スピントロニクスにおける重要な目的の一つである。磁気モーメントの揺らぎの伝搬を量子化したマグノンは、低損失な情報伝達が可能であり、次世代の情報キャリアとして有力である。本課題では、トポロジカルに非自明な電子状態を持つ磁性体である磁性ワイル半金属に着目し、電圧誘起マグノンの基礎理論を構築する。駆動されたマグノンを検出するための実験セットアップを提案し、デバイスとしての有用性を明らかにする。本研究の完成によって、トポロジカル物性に基づいたスピントロニクス技術を大きく発展させることが期待できる。
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研究実績の概要 |
磁性ワイル半金属に注目し、磁気秩序とスピンホール効果・軌道磁化の関係を研究した。 強磁性秩序を持つ積層カゴメ格子構造を持つワイル半金属Co3Sn2S2の強束縛模型における内因性スピンホール効果の解析を行った。カゴメ格子に対して面内方向に流れるスピン流(面内スピン流)と、積層方向に流れるスピン流(面直スピン流)に着目した。線形応答理論を用いてスピンホール伝導率を解析し、強磁性磁気モーメントの方向に依存して、スピンホール伝導率が大きく変化することを明らかにした。特に、面直スピンホール電流は磁化反転に有効な表面スピン蓄積を引き起こす可能性を示した。 また、時間・空間反転対称性の両者が破れた、補償されたフェリ磁気秩序を持つワイル半金属Ti2MnAlの有効模型を構築し、電子状態と輸送現象を調べた。TiサイトとMnサイトの磁気モーメントは補償されており正味のスピン磁化はゼロとなるが異常ホール効果が有限となり、さらにバンド構造に由来した軌道磁化と相関があることを明らかにした。軌道磁化の存在により、外部磁場によりバルク磁気方向を変化させることができることを議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
強束縛模型を用いた解析を行い、強磁性ワイル半金属では機能的なスピン生成を起こすことがわかった。出版論文以外にも、ワイル半金属が非一様な磁化構造を持つ場合の動的電磁応答についての論文を投稿中である。また、補償フェリ磁性を有するワイル半金属では、トポロジカルな起源によってスピン密度が電気的に生成されることが明らかになり、論文を投稿準備中である。 以上の理由より、現在までおおむね順調に研究が進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度行った格子模型の電磁応答の研究をさらに発展させ、電気的マグノン生成および磁化ダイナミクスの解析を進めていく。
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