研究課題/領域番号 |
23K19198
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
樗木 悠亮 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (80985888)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 太陽電池 / 中間バンド型太陽電池 / 量子ドット / 量子リング / GaSb / 結晶成長 / 分子線エピタキシー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず①GaAsSb/GaAs系のタイプII量子リングの高密度化のため、高均一・高面内密度自己組織化成長と②多重近接積層化技術を確立する。また高密度化による中間バンドを介したキャリアダイナミクスの変化を精密に評価し、速やかな電子と正孔の空間的分離によるキャリアの長寿命化と、光励起の両立を図る。以上により量子リング太陽電池の高効率化の実証を目指す。さらに③電流整合の最適化及び高電圧化に向けて、フレキシブル基板上に量子リング太陽電池を転写した薄膜太陽電池の作製と特性評価を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、従来のInAs/GaAs量子ドットの代替としてGaSb/GaAs量子ドットを用いた中間バンド型太陽電池の開発を目的としている。量子ドットが形成する中間バンドを光吸収層に導入した太陽電池の場合、エネルギー変換効率の理論値が集光動作時に60%を上回り、現在の単結晶シリコン太陽電池の2倍以上が期待できる。中間バンドを用いた高効率化のアプローチにおいては、(1)量子ドットの密度を増やして光励起を促進すること、さらに(2)中間バンド内の準位に光励起されたキャリアの寿命が十分長いことが必須である。 GaSb/GaAs量子ドットはtype-II型バンド構造を有するため、InAs/GaAs量子ドットよりキャリア寿命が長くなる。一方で、GaSb/GaAs量子ドットは光吸収係数が小さいため、GaSb/GaAs量子ドットの高密度化によってキャリアの長寿命化と、光励起増大の両立を図る。 GaSb/GaAs量子ドットの高密度化には、面内密度増大および積層数増大が有効である。量子ドットの成長速度を大きくすることで、面内密度が増大する傾向が得られた。しかし高速成長では非発光再結合レートを高める巨大ドットが発生してしまう。そこで巨大ドットはGaとSbのフラックス比に依存しており、Sbの割合を大きくすることで、量子ドットの高密度化と巨大ドット密度の低減を両立することができた。また、高速成長によって成長時間を短縮されたため、同じ成膜時間でも積層数を増大することができると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GaSb/GaAs量子ドットの成長時にV/III比と成長速度を調整することで、量子ドットの面内密度を向上させることが可能となった。この密度増加により、フォトルミネセンス(PL)の強度が向上し、評価面でも利点が見られた。PL強度が向上しても、長いキャリア寿命は維持されており、高品質なtype-II型量子ドットが得られた。面内密度の増加にもかかわらず巨大ドットの発生が抑制されたため、このような優れた特性が保持されたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
GaSb/GaAs量子リング太陽電池作成および光吸収率のさらなる増大に向けて、2024年度は、GaSb/GaAs量子リング層の多積層化と光閉じ込め構造のための裏面テクスチャの実装に取り組む。
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