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2次元結晶を用いた高耐久ペロブスカイト太陽電池の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K19275
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0502:無機・錯体化学、分析化学、無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

神田 広之  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (30975503)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードペロブスカイト太陽電池
研究開始時の研究の概要

次世代太陽電池として期待されているペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト結晶(CH3NH3PbI3など)から構成されており、低コストかつ高い光電変換効率を示すことから注目を集めている。しかし、ペロブスカイト結晶中のCH3NH3+が大気中の水分や光と反応して遊離するため、太陽電池の変換効率が急速に低下することが実用化に向けた大きな課題となっている。そこで本研究では、均一性の高い2次元結晶(KxL2-xAB2X7)を、水や光に対するバリア層として導入することで、高耐久なペロブスカイト太陽電池を開発する。

研究実績の概要

ペロブスカイト結晶は大気中の水や光と反応して、CH3NH3カチオンが遊離し、結晶崩壊することによって太陽電池の光電特性が低下する。そこで、2次元結晶をバリア層として用いることにより、ペロブスカイト結晶の劣化を抑制することが望まれている。本研究では、オクチルアンモニウムカチオンを含む溶液を用いることにより、2次元結晶をペロブスカイト結晶上に積層し、ペロブスカイト太陽電池の耐久性の改善を試みた。2次元結晶が無い場合においては、光照射によって結晶構造がアルファ相からデルタ相へ相転移し、これに伴って開放電圧および曲線因子が大きく低下し、光電変換効率が低下することが判明した。一方で、短絡電流密度には大きな変化がなかったことから、ペロブスカイト太陽電池の劣化は、結晶の相転移とCH3NH3カチオンの遊離による欠陥準位の増加に起因していると考えれられる。これらの劣化を抑制するために、2次元結晶をペロブスカイト結晶上に形成した。これにより、光照射下におけるペロブスカイト結晶の相転移を抑制できることを見出した。ここで、アルファ相およびデルタ相の結晶状態は、X線回折を用いて測定した。これによって太陽電池の開放電圧および曲線因子の低下が抑制され、光照射下において1200時間後に初期変換効率の83%を維持することに成功した。以上の耐久性向上手法を用いて、異なるカチオンを組み合わせることによって結晶の相転移を抑制し、より高耐久なペロブスカイト太陽電池を開発できると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2次元結晶をペロブスカイト太陽電池に導入することで、アルファ相からデルタ相への結晶転移を抑制し、太陽電池の開放電圧および曲線因子の低下を抑制に成功した。さらに光照射下において1200時間後に初期変換効率の83%を維持することに成功したことから、順調に研究が進捗したといえる。

今後の研究の推進方策

2次元結晶をペロブスカイト太陽電池に導入することで、アルファ相からデルタ相への結晶転移を抑制できることが判明した。そのため、アルキル鎖の異なるカチオンを導入することでペロブスカイト太陽電池のさらなる耐久性の向上を目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 2次元結晶がペロブスカイト太陽電池の耐久性に与える影響2024

    • 著者名/発表者名
      神田 広之, サンタ モンダル, 江口 直人, 西村 直之, 古郷 敦史, 村上 拓郎
    • 学会等名
      第71回応用物理学会春季学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-09-11   更新日: 2024-12-25  

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